国内

河野行革相縦割り110番に提案8400件 調整着手…負担増懸念も

 河野太郎行政改革担当相が主導して設置した内閣府の「規制改革・行政改革ホットライン(縦割り110番)」に寄せられた提案が、受け付けを一時停止した11月27日夕までに約8400件に上ったことが30日、分かった。河野氏の直轄チームが発足してから1日で2カ月、寄せられた提案などを各省庁に割り振って実現に向けた調整に取り組んだ。ただ、作業量が膨大で職員や各省庁の負担増が指摘されている。

 「とにかく速やかに結果を出すということで頑張ってくれている」。河野氏は11月27日の記者会見で、チームの働きぶりをたたえた。チームは国立大職員の勤怠管理のデジタル化や、災害時の物資を配送する貨物自動車に関し、これまで安全規則で事実上禁じられていた他社の運転手による代行運転を認める運用改善などを進めてきた。

 直轄チームは35人(11月25日時点)で構成され、内閣府や各省庁の職員に加え、大阪府や愛知県、福岡市など地方自治体から派遣された職員9人も所属している。地方自治体の職員が大臣直轄チームに組み込まれるのは異例だが、河野氏は発足前の9月25日の記者会見で「国の縦割りが地方自治体にも及んでいる」と述べ、国と地方自治体の意思疎通をスムーズにする狙いを説明していた。

 成果の一例が、救急車が緊急搬送後に消防署に戻る際の高速道路利用料金の完全無料化だ。これまで救急車は緊急走行する搬送時は高速料金が無料だったが、帰路の扱いは各消防本部と高速道路各社が無料区間を取り決めるなど対応が統一されていなかった。群馬県の山本一太知事が完全無料化を河野氏に要望した。

 これを受け、直轄チームに派遣されている群馬県職員らが国土交通省や消防庁に検討を依頼し、実現にこぎつけた。河野氏は10月30日の記者会見で、この職員らを壇上に上げて成果を公表し、「地方自治体からの要望を一つ一つしっかり前に進めて解決をしていきたい」と胸を張った。

 ただ、縦割り110番は寄せられた提案の数が想定をはるかに超えたため、11月27日午後6時で一時受け付けを停止することとなり、件数は同時刻までに8400件弱に上った。これまでホットラインに寄せられる提案は年間700件程度で、わずか2カ月余りで例年のおよそ12倍を集めたことになる。

 実現可能性のあるものを判別して各省庁に割り振るだけでも膨大な作業で、受け取った各省庁にも大きな負担となる。河野氏自身も「そのまま投げてしまうと、向こう(各省庁の担当者)が倒れてしまう」と苦慮している。(大島悠亮)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus