菅義偉(すが・よしひで)首相は4日、新型コロナウイルス対策での国際社会の連携強化を目的とした国連特別総会で、ビデオメッセージ形式で演説した。首相は「世界保健機関(WHO)が現下の危機の克服や将来の危機への備えに貢献できるよう、日本はWHOの検証・改革に協力していく」と表明した。
首相は「今回の危機は国際社会の連帯の必要性を私たちに改めて想起させた。『分断された世界』ではなく、危機を乗り越えるべく『団結した世界』を実現しなければならない」と強調。ワクチンの特許権を国際的に共有して価格を抑える「特許権プール」を通じ、公平な利用を図る考えを訴えた。
首相はまた、デジタル化、脱炭素社会の実現、自由で公正な経済圏の拡大、多角的自由貿易体制の維持・強化などを挙げ、「持続可能な経済成長に向けた取り組みを主導していく」と宣言。来夏の東京五輪・パラリンピックにも触れ、「安全・安心な大会を実現するため、全力で取り組んでいく」と述べた。