国内

居酒屋「このままではつぶれる」 都内…時短要請期間延長を懸念

 新型コロナウイルスの感染者急増を受け、東京都内で酒類を提供する飲食店やカラオケ店に対し、営業時間を午後10時までに短縮する再要請が始まってから12日で2週間を迎える。「このままではつぶれてしまう」。本来ならば、忘年会シーズンを迎え飲食店にとっては書き入れ時だったが、苦しい状況は続く。時短要請は17日までだが、新規感染者は増加傾向にあり、飲食店関係者は時短の期間延長の不安も抱えている。(橘川玲奈)

 予約例年の1割「全然だめ」

 新橋駅近くの居酒屋「根室食堂新橋店」。金曜日の夜、本来ならば大勢のサラリーマンでほぼ満席になる。だが、この日の予約はゼロ。月内の予約も、企業が忘年会を避ける今年は、例年に比べ1割ほどしかない。平山徳治店長は「8月の時と比べたらましではあるが、全然だめ」と肩を落とす。

 11日も都内では新型コロナの新規感染者が595人に上り、過去2番目の多さとなった。新型コロナの蔓延(まんえん)の勢いは収まっていない。小池百合子都知事は4日の定例会見で、時短要請を「長々と続けるつもりはない」と述べたが、平山店長は「感染者は減っていないし、延長もあり得るのでは」と懸念する。

 「既に限界。さらに続けるなら、補償をしっかりしてほしい。一律で40万円ではなく、店の規模に応じた額を出してほしい」と注文をつけた。

 ラーメン店「7割までの回復が…」

 一方、同じく新橋にあるラーメン店。時短要請には応じず、いまも午前3時半まで営業を続けている。店舗責任者の男性(66)は「深夜の営業を続けても、午前0時以降は急激に客足が落ちる」と話す。忘年会などの宴会の機会が減り、「締めのラーメン」を求める客も少なくなったとみられる。

 男性は「10月末ごろから順調になってきて、昼も夜も客足が例年の7割まで回復していたのに、(時短要請以降)夜はまた減ってしまった」と語った。

 

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