海外情勢

タイ、非正規国境越えでコロナ持ち込み 感染抑え込みの優等生に落とし穴 (2/2ページ)

 ブローカーが手引き

 こうした中、ミャンマー国内での感染拡大が深刻化。同政府は夜間外出禁止令を出して取り締まりを強化した。ホテル側もこれ以上の営業継続は困難と判断し、クラブを一時閉鎖。仕事と行き場を失った女性たちは帰国を余儀なくされた。だが、正規ルートでの入国時に14日間の強制隔離が行われることを知り、それを避けるためにブローカーの手引きのまま非正規ルートで国境を越えていた。

 チェンライ県とミャンマー・シャン州の国境には川幅十数メートルのサーイ川(ルアック川)が流れるだけで、乾期の現在は水深が1メートルに満たない場所も少なくない。このため、かねてより麻薬や酒類の密輸などが行われる地域として監視の対象となっていた。女性たちがどのように国境を越えたかは分かっていないが、現在は24時間体制で警備が続けられている。

 ミャンマーでは、8月末にわずか700人台だった感染者が12月初旬には10万人を突破。勢いは衰えていない。非正規ルートでの帰国を画策したタイ人女性以外にも、仕事を求めてタイに密入国を試みるミャンマー人が後を絶たず、タイ北部ターク県では8000人以上が逮捕されている。(在バンコクジャーナリスト・小堀晋一)

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