野菜の小売価格の安値が続いている。農林水産省によると、主な野菜の小売価格の全国平均値(12月21~23日)は、レタスとハクサイがともに平年比で37%安となるなど、葉物野菜を中心に調査対象の全8品目が平年を下回った。この秋は好天で野菜の生育が良く、市場への出荷量が増えた一方、新型コロナウイルス感染再拡大で飲食店向けの需要が低迷した。ただ、足元では回復傾向も伺える。
農水省の調査結果によると、12月21~23日の小売価格の全国平均値は、レタスとハクサイが平年比37%安だったのに加え、同じ葉物野菜のキャベツも29%安。このほか、ダイコンは23%安、トマトは18%安-などだった。8品目の多くはマイナス幅が緩やかになってきたが、なお全てが平年比でマイナス圏のままだ。
秋の良好な気候に加え、産地に被害をもたらす台風の上陸もなかった。半面、新型コロナの感染再拡大を受け、一部の自治体では飲食店に営業時間の短縮を呼びかけた。「豊作で供給量が増えたところに需要が減り、需給バランスが崩れて価格が安くなった」と農水省の担当者は指摘する。
このため農水省は、供給が過剰となったダイコンとハクサイの主な産地からの届け出を受け、産地が価格回復のために出荷の先延ばしなどで出荷量を抑える事業を実施することを認めた。
ただ、前週比でみると、レタスが16%高、キャベツが9%高となるなど、底打ち感がうかがえる。例年、家族などが集まる年末年始は、需要増加を背景に野菜の価格水準が上がりやすい。12月中旬からの寒波で気温が低下し、野菜の生育が緩やかになっていることも一因に挙げられる。
野上浩太郎農水相は12月25日の記者会見で「平年に比べてかなり安いものの、大幅な安値からは回復傾向にある。年始にかけて緩やかな価格の回復が続く見通しだ」との予測を示した。