専欄

中国共産党は建党100周年をどう祝うのか

 今年の中国は新経済五カ年計画の初年度というだけでなく、中国共産党の建党100周年という節目の年でもある。党・政府としては年初から勢いよくダッシュをかけ、大きな成果を挙げたいところだろう。だが昨年末の中央経済工作会議で決まった今年の経済運営方針をみると、内外の不透明要因があまりに多過ぎて、いかにも歯切れの悪い内容となっている。(拓殖大学名誉教授・藤村幸義)

 重点政策として打ち出されたのは、(1)国家の戦略的科学技術力の強化(2)産業チェーン・サプライチェーンの自立的なコントロール能力の増強(3)内需拡大を戦略的ベースにすることを堅持(4)改革・開放の全面的な推進(5)優良種子と耕地問題の解決(6)独占禁止の強化と資本の無秩序な拡大の防止(7)大都市の住宅の突出した問題の解決(8)カーボンニュートラル活動の推進-という8項目だった。前年の6項目から2つ増えたうえに、これまでになかった政策がずらりと並んでいる。

 (1)と(2)はいずれも新登場の最重要課題で、ともに米中経済戦争の激化の中で、早急な解決を迫られている。米国からの対中制裁による打撃が、いかに深刻かを物語っているが、これまでやってこなかったことを急にやり始めるわけだから、そう簡単には望んでいる結果を出せないだろう。

 (6)はアリババ子会社の上場中止という衝撃的な事件を受けて、急遽(きゅうきょ)追加されたとみられる。ある程度の規制は必要としても、締め付けが過ぎれば、せっかく盛り上がってきたネット消費に冷水を浴びせかねない。

 8項目政策で明らかなのは、党・政府がこれまで以上に前面に出て、なりふり構わずに成長率を確保し、建党100周年を祝いたいという思惑であろう。そして新型コロナウイルスの流行からいち早く立ち直り、中国が「独り勝ち」したことを世界に誇示したいのであろう。

 建党記念日は7月1日に設定されてきたが、実際には7月23日に最初の共産党大会が開催されたようだ。この日はくしくも東京オリンピック開会日の7月23日と重なっている。

 いずれにしても7月に入れば、世界の関心の目は、東京が新型コロナを乗り越えて、オリンピックを無事に開けるかどうかに集まってくる。新型コロナを世界に拡散させた中国を見る国際社会の目が依然として厳しい中で、中国はどのように建党100周年の記念日を祝うのであろうか。

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