菅首相記者会見詳報

(3)経済対策「効果的な対応策に的を絞りたい」

=(2)から続く

 菅義偉首相「経済の影響というのは避けられないと思いますが、先に財政支出40兆円、事業規模74兆円の経済対策を決定しております。こうしたものを活用しながら、雇用の維持、そして事業継続、こうしたものをしっかりと対応していきたいというふうに思っております。また、1カ月で収束するかといった見通しなどは、(政府新型コロナ分科会の)尾身茂会長の方がよろしいと思います」

 尾身氏「今の1カ月の件ですけども、もうこれは私ども当然のことですけど、1カ月の間で感染を下火にして、『ステージ3(感染急増)』に近づきたいと思ってます。それで、私どもは、その近づくための条件がいろいろあると思う。4つ私はあると思っています」

 尾身氏「これはまずは、具体的な、しかも強い効果的な対策を打つこと。これが一つ目です。それから二つ目は、国と自治体が一体感を持って明確なメッセージを国民に伝えること。それから三つ目は、なるべく早く(新型コロナ対策となる特別措置法の)法改正をしていただいて、経済支援などとしっかりとひもつけるということです」

 尾身氏「そうした上で、国民のさらなる協力が得られれば、この4つが重要だと思っています。たしかに1カ月未満にですね、ステージ3に近づけるということはそう簡単ではありません。私は、今申し上げた4つの条件を満たすために日本の社会を構成するみんながしっかりと頑張れば、1カ月以内でも私は、ステージ3にいくことは可能だと思っています」

--国民への一律現金給付を再び検討するか。医療従事者の報酬を抜本的に上げるべきとの声がある。今回の宣言に当たり想定される財政支出の規模は。

 首相「まず、これまでの経験に基づいて効果的な対応策に的を絞って行っていきたい。このように思います。時間対策を行った飲食店の支援。国からの協力金として1カ月当たり120万円から180万円に今回引き上げました。またその他に雇用調整助成金。これによる雇用の確保。公庫の無利子、無担保融資による事業の支援。さらに資金繰りのために十分な資金を用意しておりまして、使いやすいような手続きも簡単にしたい。このように思っています」

 首相「医療従事者の支援でありますけれども、先月、コロナ対応の医療機関に派遣される医師、看護師、こうした皆さんに対しての支援を倍増をさせていただいております。今回新たに、新型コロナに対応する病床。ここを増やすために、医療機関に対して、重症の病床1床当たり約2000万円の補助も決定をいたしております。全体的な経済対策は先ほど申し上げましたが、財政支出40兆円、経済規模で74兆円。こうした中でさまざまなメニューを用意しております。これを活用して必要な支援を行っていきたい。このように思ってます」

--無症状者の市中感染が広がっているとの指摘もある。PCR検査を大幅に拡充する必要性は。

 首相「まず基本的な考え方は、検査の必要がある人については検査を受けられるようにしたいということであります。またPCR検査については、全額、国の負担により整備しております。検査の必要性を踏まえて検査体制を拡充していきたいと思ってます。現に、昨年4月1日、PCR検査の体制は1万件でありました。現在は12万件用意をしています。そういう中で、必要な方には検査を受けられるよう行っていきたいと思います。それと、インフルエンザとの関係の中で、抗原検査も1日20万できる体制は整備はしております。しかし、今はインフルエンザほとんどありませんので、PCR検査については、必要であれば、できるような体制は整えているということであります」

--愛知県や大阪府の知事が宣言の必要性に言及しているがどう考えるか。現在の宣言を延長する場合、今回と同様に期間は1カ月程度を想定しているのか。

 首相「まず、この1都3県の感染者の半分以上が30代以下の若い人たち。そういう中で、飲み会の自粛や不要不急の外出の自粛。こうしたものもお願いしていますし、マスクの着用、手洗いの徹底、3密の回避、こうした基本的な考え方をまずは徹底していきたいというふうに思います」

 「大阪、愛知の件は、緊急事態宣言と準じる対応ができるようになってますので、状況を見ながらそこはしっかりと対応していきたいというふうに思います。もしできなければ1カ月ということでありましたけど、仮定のことについて私からはお答えは控えさせていただきたい。とにかく1カ月で何としても感染拡大を防止をしたい。そういう思いで取り組んでいきたい。こういうふうに思います」

=(4)に続く

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