徳島大学発ベンチャーのグリラス(徳島県鳴門市)は、同県美馬市の廃校となった施設を活用し、食用コオロギの自動生産設備を近く導入する。導入に当たって、ベンチャーキャピタル(VC)などから総額2億3000万円を調達した。
グリラスは、徳島大による長年のコオロギに関する研究成果を活用したベンチャー企業として、2019年5月に設立。昨年5月に業務提携した軸受け大手のジェイテクト、徳島大と共同で食用コオロギを自動で大量に生産できる設備の開発に取り組んできた。
グリラスは完全室内飼育のコオロギを粉末状にした「コオロギパウダー」を開発。このパウダーを使った非常備蓄用のパンを販売している。これまでパウダーの生産は手作業に頼っていたが、設備の導入を機に事業の成長を加速させる。
設備の導入に当たり、独立系VCのビヨンドネクストベンチャーズ(東京都中央区)、徳島大と阿波銀行によるVCの産学連携キャピタル(徳島市)などが出資に応じた。