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ビジネス往来の一時停止に反応様々 経済界から落胆と容認の声

 菅義偉首相が中国や韓国など11カ国・地域との間で例外的に認めるビジネス関係者の往来を一時停止すると表明したのを受け、経済界からは落胆の声が上がった。一方、リモート会議などの対応も定着する中、感染拡大防止の観点から容認の声も広がっている。

 「いずれ直接対面に戻る期待もあっただけに、先延ばしになるのは残念」。日本郵船の担当者は声を落とす。経団連の古賀信行審議員会議長も「実態として往来がないと困ることが多い。体制整備した上で(政府に往来を)進めるよう願いたい」と強調する。

 日本政府観光局によると、2019年の訪日外国人客は観光目的が約9割を占め、ビジネス目的は1割に満たない。ただ、第一生命経済研究所の小池理人副主任エコノミストは「企業にとっては、往来再開のステップが振り出しに戻ったに等しい」と指摘する。

 一方、新型コロナ収束が景気回復に不可欠との認識も根強く、冷静な受け止めも目立った。「一時停止が2年も3年も続くなら話は別だが、1カ月程度ならば大きな影響はない」。三菱商事の担当者は話す。日産自動車やホンダも、以前から不要不急の海外出張を原則禁止しており、対策強化はしていないという。

 また、海外拠点と国内拠点を結ぶサービスを展開するNTTコミュニケーションズは「需要が高まりそう」と商機を見据える。電子契約書を採り入れる企業も増えており、「往来がなくても事業が滞らないよう支援したい」としている。

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