国内

「ゆるふわ」な地域づくりめぐり議論 農水省検討会

 人口減少時代の新たな農村政策を考える農林水産省の有識者検討会の第8回会合が20日、オンライン形式で開かれ、新型コロナウイルス感染拡大により農村への移住志向が高まる中、地域づくりへのゆるやかな参加のあり方を表現した「ゆるふわ」という言葉をめぐって意見が交わされた。

 検討会ではまず、過疎地への移住を後押しする総務省の新制度「特定地域づくり事業協同組合(地域づくり組合)」に昨年12月、全国で初めて「海士(あま)町複業協同組合」が認定された島根県海士町の大江和彦町長が現状を紹介した。

 地域づくり組合は、地域の事業者が出資する組合が移住者らを通年雇用し、複数の仕事に派遣する仕組み。町によると、関東、関西の都市部を中心にこれまでに7人の応募があり、今月11日からは東京から移住した28歳の男性が漁業の現場で働き始めたという。

 大江町長は「島で古来、行われてきた半農半漁の暮らし方に似た働き方だ。将来はこの中から起業する人も出てくるだろう。町として人材への投資とも考えている」と語った。

 その後、委員のうち地域づくり誌「ソトコト」の指出一正編集長が、地域づくり人材を育てる要点として「『ゆるふわ』であること」と指摘したことから議論が始まった。

 ゆるふわは、もともと髪形の表現から広まった言葉。地域づくりの現場では近年、組織や制度をがっちり固めた地域づくりの対義語として使われている。

 座長で明治大の小田切徳美教授は「ゆるふわな価値観をどう政策化していけばよいか」と質問。指出氏は「ゆるふわを看板にする必要はなく、マインドとして内在化していくことが大切ではないか」と答えた。

 JA高知女性組織協議会の川井由紀会長は「私は地域で若い人たちを受け入れる側だが、ゆるふわのふわふわふわ…で、よその人ばかり集まりすぎて、逆に地域の人には不安感もある。バランスが難しいとも思う」。指出氏は「私が主宰する地域づくり講座では、事前選考を通じて、前向きな人材に受講してもらうようにしている」と応じた。

 いわて地域づくり支援センターの若菜千穂常務理事は、地域づくり組合に雇用されるような個人への支援について「自分がやりたいことを、ゆるゆるふわふわでも、仲間を作って実現できるしお金もできるというような政策が必要ではないか」と話した。

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