真山仁の穿った眼

東京五輪は、コロナに打ち勝った証?! (2/2ページ)

真山仁
真山仁

コロナに打ち勝てなかったら…

 結果的に、東京五輪は、東日本大震災から10年という節目に開会することになった(あくまでも予定だが)が、本当に被災地は「復興した!」と世界に胸が張れるのだろうか。もし、現在の状況を見て、「復興した」と考えているのであれば、おそらくは、多くの被災者と総理の認識に大きなズレがあると言わざるを得ない。

 たかだか数行、五輪について言及しただけで、これほどまでに、現政権の迷走ぶりが象徴されているのを見ると、怒りが湧くよりも、気の毒に思えてしまう。

 だが、あの発言を穿った眼で見たら、こんな意味にも取れる。

 “人類が新型コロナウイルスに打ち勝てなかったら、五輪はやらないよ――”

 だとすると、菅総理らしい深謀遠慮と言うべきか。

昭和37年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科を卒業後、新聞記者とフリーライターを経て、企業買収の世界を描いた『ハゲタカ』で小説家デビュー。同シリーズのほか、日本を国家破綻から救うために壮大なミッションに取り組む政治家や官僚たちを描いた『オペレーションZ』、東日本大震災後に混乱する日本の政治を描いた『コラプティオ』や、最先端の再生医療につきまとう倫理問題を取り上げた『神域』など骨太の社会派小説を数多く発表している。最新作は、初の本格的ノンフィクション『ロッキード』。

【真山仁の穿った眼】はこれまで小説を通じて社会への提言を続けてきた真山仁さんが軽快な筆致でつづるコラムです。毎回さまざまな問題に斬り込み、今を生き抜くヒントを紹介します。アーカイブはこちら

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