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ETF購入は「株価の下支えではない」 平成22年7~12月日銀議事録

 日本銀行は25日、平成22年7~12月の金融政策決定会合の議事録を公開した。リーマン・ショック後の株安から脱却できない中、日銀は同年10月の会合で株式投資を促す呼び水効果を狙い、初めてとなる上場投資信託(ETF)の購入を決定。今や新型コロナウイルス感染拡大による危機下の株式市場を支える役割を担う一方、実態と乖(かい)離(り)した株高を招く一因ともされる。そんな“副作用”を予見したかのように、当時の会合ではETF購入に慎重な委員の姿も明らかになった。

 「今回の最大のテーマは強力な金融緩和をやるために、今まで踏み込んでない領域を考えることだ」。10月5日の会合で日銀の白川方(まさ)明(あき)総裁はこう強調し、ETFの購入を含む「包括的な金融緩和」を決定した。

 ただ、主要国の中央銀行では日銀しか行っていないこの奇策に、委員からは懸念の声もあがった。亀崎英敏審議委員はこの会合で「(ETFなどのリスク資産の購入は)臨時的、時限的なものであること」と、くぎを刺した。

 しかし、当初年間4500億円の買い入れで始まった日銀のETF購入は時限的なもので終わらなかった。安倍晋三前政権と黒田東(はる)彦(ひこ)総裁のもとで購入額は拡大し、現在は約6兆円を原則に、コロナ対応で当面は約12兆円を上限に買い入れを続けている。

 「買い入れの目的は(株式市場の)価格の下支えではない」。22年11月5日の会合では須田美矢子委員がこう指摘したが、その言葉に反し、日銀のETF購入は今ではコロナ禍での株高に一役買っている。日銀が現在保有するETFの残高は時価で45兆円規模にも上る。日本株最大の株主となり、市場安定の効果より市場をゆがめる副作用が懸念される状況だ。

 日銀は今年3月の会合をめどに現在の金融緩和策を点検する。その際は、ETFの購入手法も点検対象となる公算が大きく、10年前の委員が掲げた理念に沿う手法に見直されるのかどうかも注目のポイントになりそうだ。

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