大阪府豊中市は1月から、昨年8月にスタートさせたキッチンカーの社会実験を拡大し、実施場所と参加事業者を増やした。弁当や軽食、スイーツなどがテークアウトできる移動販売車、キッチンカーを住宅地の真ん中に決まった時間に配置する社会実験。市は、市民の利便性向上だけでなく、コロナ禍や災害時の有効性についても検証している。
この実験は、昨年6月に市と地域活性化や災害・緊急時の対応に関する包括連携協定を結んだ「Mellow」(東京)の協力で実施。同社は、キッチンカーなどのモビリティーを活用したランチスペース事業を展開している。
“初出店”は昨年8月、2事業者が3週間にわたって市内3カ所で実施。利用した市民から、他の場所でも実施してほしい▽いろいろなジャンルのキッチンカーを呼んでほしい-などの要望が寄せられたほど好評だったという。
それを受けて市は、11月から3カ月間のスケジュールで、キッチンカーを8事業者に増やすなど規模を拡大した2回目の社会実験を開始。1月からはさらに拡大して17事業者が参加し、実施場所も当初の3カ所から7カ所まで随時拡大していく予定だ。
新型コロナウイルスの影響で飲食店は休業や営業時間短縮などの対応を迫られているが、キッチンカーはそういう影響を受けることがない。さらには、災害時に被災者らへ食事を提供する機能なども期待される。
市創造改革課は「事業者にとっては経営が成り立つことがわかり、市民にとっても徒歩圏内の利便性向上につながっている。さらに社会実験を重ねて、継続的に実施できるかを検証したい」と話している。