海外情勢

スー・チー氏を刑事訴追 ミャンマー国軍、本格排除に乗り出す

 【シンガポール=森浩】ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問率いる国民民主連盟(NLD)は3日、無線機を違法に輸入したとして、国軍のクーデターによって軟禁中のスー・チー氏が刑事訴追されたと明らかにした。有罪になれば選挙への立候補が制限される可能性があり、国軍がスー・チー氏の本格的な排除に乗り出した形だ。

 ロイター通信によると、国軍が首都ネピドーのスー・チー氏の自宅で6台の無線機を発見したという。同じく軟禁中のウィン・ミン大統領も、新型コロナウイルス感染拡大の防止を目的とする法令に違反したとして訴追された。

 国軍は2日夜、国軍トップのミン・アウン・フライン総司令官を議長とする「行政評議会」を設立した。非常事態宣言下での事実上の最高意思決定機関。国内外で政権奪取への批判が強まる中、支配体制構築を本格化させている。

 行政評議会は11人で構成され、半数以上を国軍出身者が占める。3日にかけては、新たな選挙管理委員らも任命された。国軍はNLDが大勝した昨年11月の総選挙に「不正があった」と主張しており、自らの管理下での選挙実現に向けた布石とみられる。

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