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日本の参考になるか 中国・驚きの春節コロナ対策

 日本で1都3県に「緊急事態宣言」が発出されたのは1月7日だったが、ちょうどその日、中国河北省・石家荘市では、都市封鎖が発表された。ロックダウンである。その日、東京の新規感染者数2447人。ロックダウンの石家荘は31人である。東京は外出自粛を「お願い」したが、石家荘は市内120カ所で約1万1700人を隔離した。同時に全市民約1000万人に緊急のPCR検査を実施した。(ノンフィクション作家・青樹明子)

 都市封鎖は石家荘市だけではない。1月11日までに、河北省の2都市と黒龍江省の1都市も封鎖した。封鎖前の陽性者数はいずれも数十人ほどである。

 新型コロナ第2波に対する中国の感染抑止対策がすごい。昨年12月26日、北京市の中心部で1人の新規感染者が確認されると、即刻周辺地域の23万4413人にPCR検査を実施し、全員の陰性を確認したという。

 PCR検査の規模とスピードを可能にしているのが、体育館などに設置した「エアドーム式テント」である。石家荘市では体育館内にエアドーム15個を設置して、PCR検査の検体分析を行った。1日で最大100万人分を分析できるというこの施設は、わずか20時間で設置したという。

 水際対策も徹底している。

 1月19日に北京市が発表したところによると、海外から入国した人に対し「14プラス7プラス7」の健康管理措置が新たに設けられた。海外から北京の空港到着後は14日間の隔離、その後さらに7日間自宅隔離、終了後は7日間の健康モニタリングが行われる。ちなみに出国前にも、PCR検査と抗体検査で陰性が証明されていないと、飛行機にも乗せてもらえない。

 驚くばかりのスピードと規模だが、背景には昨年の春節(旧正月)、湖北省武漢市の手痛い経験がある。武漢でのウイルスの蔓延(まんえん)、続くロックダウンは、春節という中国独特の風習があった。

 平時の春節には、延べ20億人が移動するといわれ、昨年1月23日、武漢がロックダウンされたその日、既に30万人が武漢を離れていたという。

 帰省ラッシュとともに春節の風物詩になっているのが宴会である。武漢でも「新型コロナが発見された」との正式報道の後に「万家宴」が開かれた。4万世帯以上の市民が、それぞれ手料理を持ち寄って会食する伝統行事である。

 今年の春節は2月12日だが、既に民族大移動は始まっている。今年は帰省自粛の要請もあって例年よりは少なめとなるが、それでも延べ約12億人が移動するといわれる。国や地方政府が敏感になっているのもうなずける。

 日本で年明けの感染者急増には、年末年始の移動や会食が関係しているのではないかといわれている。「勝負の3週間」と銘打った日本と比較し、中国の驚異的な春節対策がどのような結果を出すのか、引き続き注視していきたい。

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