株価・外為

東京株、外食や空運も急騰 来期の業績回復見越し物色も

 日経平均株価が3万円の大台へと近づいてきた。8日は10都府県で緊急事態宣言延長の初日となったが、感染拡大への危機感とは対照的に、株式市場には楽観的な雰囲気が広がり、先回りして2022年3月期の企業業績回復を見込んだ物色も出始めた。それを可能にしているのは、主要中央銀行の金融緩和と各国の経済対策への期待だ。

 8日の東京株式市場で、日経平均の上昇幅は600円を超えた。前の週に計1116円上がり、上昇ピッチの速さが意識される中、節目の2万9000円を軽々と超え、投資家心理の強さを示した。過去1カ月の株価の動きを振り返ると、緊急事態宣言の再発令で外出自粛のダメージを強く受ける業種でも株価は上向いた。

 8日終値と1月7日終値を比較すると、外食では、居酒屋を展開するワタミは23.7%上昇。回転寿司のスシローグローバルホールディングスとファミリーレストランのサイゼリヤも2割近く上昇した。

 旅行需要の蒸発に頭を抱える業界も同様だ。エイチ・アイ・エス(HIS)は32.0%上昇。JR東日本とJR東海も約2割上げた。大幅減便が続く航空業界でも、ANAホールディングスが8.9%、日本航空が15.0%それぞれ上昇した。

 投資家の安心感を誘っているのは、コロナ禍で大量に放出される金融緩和マネーだ。米国で1.9兆ドル(約200兆円)規模の追加経済対策への期待が高まったことも投資家心理を和らげている。

 SMBC日興証券の太田千尋投資情報部長は「バブル経済崩壊後の約30年間で、日本企業は収益力を高めてきた」と述べ、企業の努力に対して、市場の評価がようやく追いつきつつあるとの見方を示す。

 3月期決算企業の20年4~12月期決算発表が本格化する中、ソニーや日立製作所に続き、8日にはソフトバンクグループが過去最高益をたたき出した。

 市場では「日経平均3万円も近い」との声も聞かれる。太田氏は「既に来期の業績回復を見越した物色が出始めている。3万円をつけた後、それが定着するには、来期の見通しに『もうひと声』の確からしさが必要だ」と指摘している。(米沢文)

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