海外情勢

ミャンマー国軍、スー・チー氏の勾留を17日まで延長 令状なし拘束も

 【シンガポール=森浩】クーデターで実権を握ったミャンマー国軍は14日夜、最大都市ヤンゴンなどに装甲車を展開させた。拡大する抗議デモの実施を牽制(けんせい)する思惑があるようだ。国軍は法律の運用を改めて裁判所の令状なしで身柄拘束や家宅捜索を可能とすることも発表、抗議活動を取り締まる姿勢を強めている。

 15日は無許可で無線機を持っていたとして訴追されたアウン・サン・スー・チー国家顧問の勾留期限だったが、スー・チー氏の弁護士は勾留が17日まで延長されたことを明らかにした。延長が繰り返された場合、抗議活動の激化につながる可能性がある。

 装甲車が展開されたのはヤンゴンのほか、北部ミッチーナーなどの複数都市。国軍は声明で「(国軍が)警察や消防とともに警備活動を行う」と説明した。クーデターへの反対の声を封じるため、15日未明からインターネットの接続も一時遮断した。

 国軍は13日夜には「国民のプライバシー保護と治安に関する法律」の条項の一部を停止し、令状なしの拘束や捜索を可能とした。条項の停止は1年間とされる非常事態宣言の期間中続く見通し。

 一方、国内では15日も10日連続となる抗議デモが行われ、軟禁されているスー・チー氏らの解放を求める声が上がった。医師や公務員が、国軍に抗議して職場を放棄する「不服従運動(CDM)」も拡大している。

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