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米国産牛肉に緊急輸入制限、18日にも発動へ 約3年8カ月ぶり

 政府が令和2年1月に発効した日米貿易協定に基づき、米国産牛肉を対象に18日にも「セーフガード(緊急輸入制限=SG)」を発動する方向となった。2年度の累計輸入量が、SGを発動する上での基準を超える見通しとなった。SGは輸入急増時に国内産業への損害を防ぐために一時的に関税を引き上げる措置。実際に発動すれば、牛肉では約3年8カ月ぶりとなる。

 財務省によると、2年度の米国産牛肉の累計輸入量は2月下旬時点で23万3112トン。日米協定では2年度のSG発動基準を24万2千トンとしており、SG発動基準の約96%に達した。3月上旬時点の数値は17日に公表されるが、ここでSG発動基準を超えて18日に発動される可能性がある。

 SG発動が決まった場合は、発動期間は30日間で、米国産牛肉に対する関税率は現在の25・8%から日米協定発効前の38・5%に引き上げられる。日本は現行とは異なる措置のもとで、平成29年8月1日から30年3月末まで米国産などの冷凍牛肉にSGを発動しており、牛肉ではそれ以来だ。

 米国産牛肉の輸入量がSG発動基準を超える最大の背景は、日本市場で競合するオーストラリア産牛肉が干魃(かんばつ)続きの影響で生産量を減らしていることだ。日米協定で牛肉の関税率が、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)と同水準まで下がったことも追い風だ。

 SG発動となれば、牛丼チェーンなどの外食業界、食品スーパーなどへの影響が注目される。発動期間が30日間と短い上、外食業界や輸入業者は発動を見越して在庫を積み増すなど事前の準備をしているとされ、業界関係者は「大きな影響はないのでは」と話す。野上浩太郎農林水産相も16日の閣議後記者会見で「国民生活に大きな影響があるとは考えにくい」とした。

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