社会不安増大も
政府は昨年6月成立の2年度第2次補正予算で児童扶養手当を受給するひとり親世帯に第1子5万円、第2子以降は1人当たり3万円の支給を盛り込み、大幅に減収した世帯には5万円を加算した。昨年末には1回目を受給した世帯に加算を除く同額を再支給した。
さらに、3月16日には両親がいる低所得の子育て世帯も初めて対象に含め、1人当たり5万円を給付する緊急支援策をまとめた。4月に入って新学期が始まれば制服や文房具などの購入費がかさむため、支援団体などから現金給付を求める声が強まっていたためだ。
一方、政府はワクチン接種の普及にともなう経済の正常化を見据え、支援策を徐々に縮小したい考え。厚生労働省は3月25日、休業手当の一部を国が支払う雇用調整助成金の特例措置を5月から段階的に縮小すると発表。休業支援金・給付金は5月以降、原則として日額上限を1万1000円から9900円に下げる。7月以降は一層の縮減を予定する。
もっとも飲食店ユニオンによると、困窮した女性たちの中には政府の広報不足で休業支援金の存在自体を知らない人も少なくないという。支援が必要な女性がまだ埋もれているのが現状だ。両親がいる世帯に占める共働き世帯が6割を超える日本で女性不況をこのまま放置すれば、日本経済全体に打撃を与え、社会不安を増幅させる恐れがある。
海外でも格差拡大に懸念
コロナ禍の女性不況は日本だけに起きている問題ではない。海外では英語の「she(彼女)」と「recession(景気後退)」を合わせた造語で「shecession」(シーセッション)と呼ばれ、共通の政策課題になっている。
国連のグテレス事務総長は3月8日の「国際女性デー」に合わせたオンラインイベントで、コロナ対応で闘う医療従事者らの「7割は女性だ」と指摘しつつ、多くの女性が仕事を失うなどして「男女間の格差は一層広がっている」と懸念を表明。各国政府に家庭内暴力の対策を強化するなど女性への支援策を重視すべきだと呼びかけている。(田辺裕晶)