中国当局による新疆ウイグル自治区での強制不妊手術について、ウイグル族出身の女性たちが産経新聞に証言したが、在日中国大使館の楊宇公使は5日までに、強制不妊手術や強制収容の証言や報道に関し、「中国をおとしめるための茶番劇」などと否定した。
楊氏は強制不妊手術疑惑について、同自治区では「法に基づいた計画出産」が実施されていると指摘。都市部は2人、農村部は3人まで子供を持つことが許され、妊娠後期の中絶や強制的な避妊は法律で禁止されていると強調した。
「一部の極右学者が事実を捏造(ねつぞう)して書いた反中的な報告書から始まった中傷」だとしたが、2014年以降の不妊手術の急増に対する明確な説明はなかった。
欧米からの「ジェノサイド(民族大量虐殺)」との指摘には、同自治区でのウイグル族の人口は10~18年に254万人増加し、増加率は漢族より高いとして「反中勢力がでっち上げた世紀の嘘」だと反論した。
また、同自治区では「予防的反テロ、脱(イスラム)過激化の措置」がとられていると主張。この結果、1990~2016年に「数千件」あったテロ事件が「連続4年以上起きていない」と正当化した。
「職業技能教育訓練センター」への強制収容疑惑については、同センターは「学校の性格」を持つもので、英米仏にもある再犯防止のための矯正施設と「本質的に違いはない」とし、「受講者は定期的に家に帰ることができる」と強調。19年末に「全員修了」したため、現在センターはなく、「受講者は安定した就労を実現し、生活の質が改善され、幸福な生活を送っている」とした。
ただ、受講者のうち「犯罪を構成していない」者でも、「過激主義活動」に加われば「公安機関が処分」するとし、判断と裁量の広さをうかがわせた。
質問は同大使館の呼びかけで報道各社が提出し、3月29日に書面で回答された。こうした呼びかけは異例で、中国側が日本社会の対中感情の悪化を警戒していることをうかがわせる。(田中靖人)