海外情勢

米、イラン核施設「攻撃」への関与を否定 間接協議に影響も

 【ワシントン=大内清】サキ米大統領報道官は12日、イラン中部ナタンズの核施設でのサイバー攻撃によるとみられる電気系統の異常について、「いかなる形でも米国は関与していない」と述べた。イラン核合意への復帰を模索するバイデン政権としては、14日にも再開される見通しのイランとの間接協議への影響を最小限にとどめたい考えだとみられる。

 攻撃は、核合意に一貫して反対してきたイスラエルによるものとの見方が強く、米国の関与を完全否定したサキ氏の発言が事実なら、米国との事前相談もなしで行われた可能性がある。バイデン政権は同盟国であるイスラエルの理解を得つつ核合意の修復を進めたい立場だが、協議プロセスに新たな不確定要素が加わった格好だ。

 攻撃は11日、オースティン米国防長官がバイデン政権の高官として初めてイスラエルを訪問したタイミングで発生。同国のガンツ国防相はこの日、オースティン氏との会談後の共同会見で、米・イランの協議は「地域の安全とイスラエルを守るものでなくてはならない」と米国を強く牽制(けんせい)した。

 サキ氏は12日、イランが「(米国などとの協議への)参加を取りやめるなどの動きはみられていない」とも強調し、間接協議の再開と進展に期待を示した。

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