日米首脳会談

中国、日米共同声明に反発 「干渉許さない」と不満を表明

 【北京=三塚聖平】在米中国大使館は17日、日米首脳会談の共同声明が台湾や香港、東シナ海などの問題に懸念を示したとして「中国の根本利益に関わる問題で、干渉することは許されない」と反発する報道官の談話を発表した。

 日米に「強烈な不満と断固とした反対」を表明しており、これまで改善基調にあると強調してきた対日関係について、習近平指導部が圧力を増していく可能性がある。

 「二国間関係の正常な発展という範囲から、完全にはみ出している」

 在米中国大使館の談話は、日米を強いトーンで批判した。台湾、香港、新疆(しんきょう)ウイグル自治区の問題について「中国の内政だ」と主張。東シナ海と南シナ海の領土主権や海洋権益の問題も含め、「中国は国家の主権や安全、発展の利益を固く守り抜く」と強調した。

 共同声明は、「台湾」について1972年の日中国交正常化以降、初めて盛り込んだ。台湾は、習指導部が「核心的利益」の中でも特に重視している部分であり、中国外務省は日米首脳会談の結果を見て「必要な反応をとる」と対抗措置を示唆している。

 共同声明は、尖閣諸島(沖縄県石垣市)についても「両国は共に、尖閣諸島に対する日本の施政を損なおうとするいかなる一方的な行動にも反対する」と明記した。対日防衛義務を規定した日米安全保障条約第5条の適用は、尖閣が日本の施政権下にある必要があるが、米政府として関与姿勢を改めて見せた形だ。

 日本の対抗措置は限定的との読みから尖閣への圧力を強めている中国に対してどこまで抑止力となるか、注目される。

 習指導部は、日本が米国と3月16日に開いた外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)で、中国を名指しして批判したことを機に、対日姿勢を硬化させるようになっている。

 ただ、これまでは「米国の同盟国だからといって中国を攻撃しないことを望む」(中国外務省報道官)と、日本が米側の対中強硬姿勢に巻き込まれているという論調が中心だった。日米首脳会談を受け、直接的な対日圧力が増す恐れもある。

 既に対日批判の矛先は、日本政府が方針を正式決定した東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出に向かっている。在米中国大使館の談話も、「極めて無責任なやり方で、地域の国や国民の直接的な利益を損なう」と批判。米政府が海洋放出に理解を示していることに対しても、「米国と日本は『核廃棄物で汚染されたインド太平洋地域』を作り出したいというのか?」と非難している。

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