菅義偉(すが・よしひで)首相は23日夜、官邸で記者会見し、新型コロナウイルス特別措置法に基づき緊急事態宣言を東京、京都、大阪、兵庫の4都府県に25日から5月11日まで発令すると表明した。記者会見の詳報は以下の通り。
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「先ほど、新型コロナ対策本部を開催をし、緊急事態宣言の発出を決定をいたしました。東京都、京都府、大阪府、兵庫県を対象として、期間は4月25日から5月11日までであります。また、蔓延(まんえん)防止等重点措置について、この期間において愛媛県を追加し、宮城県、沖縄県の5月11日までとすることを決定をいたしました。
全国の感染者は先月以来、増加が続き、重症者も急速に増加をいたしております。大阪、兵庫の感染者数は、いわゆるステージ4の中でも高い水準にあり、医療提供体制は、これまでになく厳しい状況にあります。東京、京都においても感染者数の増加ペースが日増しに高まっており、いわゆる、ステージ4の水準に至っております。特に懸念されるのは変異株の動きです。陽性者に占める割合が大阪、兵庫で約8割、京都で約7割、東京でも約3割に上昇するなど、強い警戒が必要であります。
このまま、手をこまねいていれば、大都市における感染拡大が国全体に広がることが危惧されます。こうした中で、再び緊急事態宣言を発出をし、ゴールデンウイークという多くの人々が休みに入る機会を捉え、効果的な対策を、短期間で集中して実施をすることにより、ウイルスの勢いを抑え込む必要がある、このように判断をいたしました。
私自身、これまで再び宣言に至らないように全力を尽くすと申し上げましたが、今回の事態に至り、再び多くの皆様方にご迷惑をおかけすることになります。心からおわびを申し上げる次第でございます。
今回の宣言のもとでは感染源の中心である飲食に対する対策を夜間に限らず、徹底をします。同時に、大都市における人流や都市間の移動を抑え、人と人の接触を減らすために、これまで以上に踏み込んだ対策を実施します。
第一に、飲食店における酒類の提供を控えていただきます。お酒を伴う飲食の機会はともすれば、大声、長時間となり、感染リスクが高いことが、これまでも提起されています。飲食店においては、20時までの時間短縮と合わせ、終日、酒類提供の停止を要請いたします。
また、路上などで飲食店以外であっても、お酒を飲むことが感染につなぐ(まま)ことのないよう、十分な注意をお願いを致します。さらにカラオケの提供も停止を要請をいたします。
第二に、一段と感染レベルを下げるために人流を抑え、人と人の接触機会を減らすための対策で、外出を通じた人の接触は感染のきっかけになり得るとも、専門家のご指摘もあります」
=(2)へ続く