大学発 日本 人と技術

日本を支える研究活動と技術開発

 DNAの損傷修復する複合体 ニワトリで構造解析に成功

 ≪東京理科大学≫

 先進工学部生命システム工学科の西野達哉教授は、ニワトリFANCM-MHF複合体の結晶を作製し、その構造解析に成功した。

 遺伝情報を保持するDNAは、さまざまな要因から損傷を受け、常に変化する。個体の生存には遺伝情報の安定的な維持が重要であるため、真核生物にはDNAの損傷を修復する機構が共通して存在している。

 FANCM-MHF複合体は、DNA修復に関与するタンパク質で、細胞内で非常に重要な機能を果たすにもかかわらず、その性質はほとんど解明されていなかった。本研究では作製したタンパク質を複数の方法で結晶化試験を行い、各結晶構造を決定した結果、共発現させたFANCM-MHF複合体は解離し、MHFはそれ自体で結晶を形成していた。

 これに関連した性質評価において、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(MPD)を30%以上添加するとFANCM-MHF複合体のバンドが崩れ、MHFのバンドパターンに近くなったことも明らかとなった。

 震災復興の一環、オンラインで実験教室

 ≪大阪電気通信大学≫

 震災復興ボランティアの一環として「おうちDE!?理科実験教室2021」を開催した=写真。この実験教室は2016年から工学部環境科学科の学生らが福島県相馬郡新地町の小学生を対象に、現地へ出向いて開催していたが、今年はコロナ禍でオンライン配信にて開催。齊藤安貴子教授監修のもと、子供たちに科学や自然の不思議を楽しみながら学んでもらおうと、さまざまな実験を展開してきた。「人工イクラを作ろう!」「黒ペンの色を分けよう!」「夜になると光るキーホルダー」の3つのテーマで実験・解説を行い、総合情報学部ゲーム&メディア学科の由良研究室の学生たちが撮影・編集を担当。子供たちは学校や自宅で動画を見ながら実験に参加した。

 協働ロボット活用した教育・研究を開始

 ≪金沢工業大学≫

 出村公成研究室と住友重機械工業は、協働ロボット「Sawyer(ソーヤー)」=写真=を活用した教育・研究の取り組みを4月から始めた。ソーヤーは、住友重機械工業が国内販売を行う、人工知能の技術を生かした単腕型・高性能産業用ロボット。金沢工業大学の専門的な知識と住友重機械工業で培った技術を共有し、ロボットが人と同じ空間で作業を分担したり、人の作業を補助したりするフィールドワークを金沢工業大学で行う。具体的な取り組みとして、住友重機械工業が提供するソーヤー1台を活用。出村研究室が2021年に開催される国際ロボット競技会「World Robot Summit」にエントリーし、表彰台を目指す。

 黒川紀章氏設計の建物、保存活用を計画

 ≪工学院大学≫

 建築学部の鈴木敏彦研究室は、MIRAI KUROKAWA DESIGN STUDIO(代表・黒川未来夫氏)と共同し、黒川紀章設計の「カプセルハウスK」(長野県)=写真=を保存活用する「カプセル建築プロジェクト」を始動する。活動は、5月から公開、6月から宿泊を予定している。黒川紀章氏(1934~2007年)は日本を代表する建築家で、1970年の大阪万博ではカプセルを用いたパビリオンを発表し、1972年には東京・銀座でカプセル型の集合住宅「中銀カプセルタワービル」を竣工(しゅんこう)した。「カプセルハウスK」は、同氏が1973年に長野県北佐久郡御代田に自分の別荘として建てた建物。工学院大学の鈴木敏彦教授(建築学部建築デザイン学科)は1984年から1990年に黒川紀章建築都市設計事務所に勤務し、同氏の薫陶を受けた。

 短パルスレーザーを使った光学素子作製

 ≪芝浦工業大学≫

 工学部機械工学科の松尾繁樹教授らの研究グループは、完全に透明ではない短い波長のレーザーを用いて、シリコン基板の表・裏面を傷つけず内部だけを加工できる条件を調査。作製した回折格子が光学的に機能することを実証した。この成果は半導体や集積回路におけるシリコンフォトニクスの技術発展に寄与することが期待される。今後は、内部加工によって生じる変化の内容解明や、変化を局在させる研究、実用的な使用用途を考案・作製する研究を行う予定。

 「防災士」養成に向け学内で初の講座開催

 ≪広島工業大学≫

 2020年9月に設立した地域防災減災教育研究推進センターが、初の防災士養成講座を学内で開いた。防災士資格取得試験に合格した35人は救急救命講習を受け、防災士の資格が与えられる。学生38人が3日間、11人の講師から自然災害の原因や事前の備えなどをしっかりと学んだ。環境学部地球環境学科の田中健路教授は、台風の勢力を天気図から解読するための注意点などを講義。大学周辺のハザードマップを作成するワークショップも指導した。学生たちは最終日に資格取得試験に挑んだ。防災士はNPO法人「日本防災士機構」による民間資格。平常時の防災活動や災害時の避難所運営などのリーダー役を担う。センターは広島県内全域に防災意識を浸透させるため定期的に養成講座を開く計画だ。

 再生エネ用蓄電池の実証実験1年間実施

 ≪埼玉工業大学≫

 脱炭素時代に向け、「ものづくり研究センター」に太陽光発電とレドックスフロー電池を組み合わせた電力需給システムを開発・構築し、1年間の実証実験を実施した。工学部生命環境化学科の松浦宏昭准教授の研究チームが、再生可能エネルギーを高い効率で利用可能なレドックスフロー電池を開発。2020年3月11日から約3000時間の稼働を実現した。

 この電池は2号機目で、韓国のエネルギー関連企業との共同研究で実現。「太陽光発電とレドックスフロー電池」を組み合わせた館内照明用の電力需給システムを開発、導入して実証実験を実施した。

  『Scientific Reports』年間トップ100論文に選出

 ≪東京都市大学≫

 理工学部自然科学科の津村耕司准教授(総合研究所宇宙科学研究センター長)による論文が学術雑誌『Scientific Reports』の2020年「TOP 100 in Physics」に選出された。同論文は、2020年7月に掲載され、内容は、海洋生物の化石データから地球上の生命が絶滅しなかった確率を推定する方法を提案するもので、太陽系の外で生命を宿すような天体の数を推定する際にも応用が可能というもの。『Scientific Reports』は、科学雑誌『Nature』などを出版するNature Research社が刊行するオンラインのオープンアクセス型で、自然科学のすべての分野を網羅する世界最大の学術雑誌。同誌では1年間に最もダウンロード数の多い物理学分野の論文トップ100を「TOP 100 in Physics」として公開。2020年には800本以上の同分野の論文が掲載されたが、今回の津村准教授の論文は、その中でトップ25に入るダウンロード数を記録した。

【ガイド】

 工学院大学 E-mail:gakuen_koho@sc.kogakuin.ac.jp

 芝浦工業大学 E-mail:koho@ow.shibaura-it.ac.jp

 千葉工業大学 E-mail:cit@it-chiba.ac.jp

 東京電機大学 E-mail:keiei@jim.dendai.ac.jp

 東京理科大学 E-mail:koho@admin.tus.ac.jp

 東京都市大学 E-mail:toshidai-pr@tcu.ac.jp

 大阪工業大学 E-mail:kikakuka@ofc.oit.ac.jp

 大阪電気通信大学 E-mail:kouhou@osakac.ac.jp

 金沢工業大学 E-mail:koho@kanazawa-it.ac.jp

 豊田工業大学 E-mail:s-koho@toyota-ti.ac.jp

 広島工業大学 E-mail:kouhou@it-hiroshima.ac.jp

 愛知工業大学 E-mail:d-koho@aitech.ac.jp

 埼玉工業大学 E-mail:kikaku@sit.ac.jp

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