菅首相記者会見詳報

(2)「テレワーク徹底、出勤者の7割目指す」

 「飲食店以外でのお酒が感染に繋がることのないよう十分な注意をお願いいたします。今後も夜の人流を抑えることが重要です。デパートなどの大規模施設は20時まで、スポーツや音楽などのイベントは21時までの、それぞれの時間短縮をお願いいたします」

 「職場での感染も増えています。これまで以上にテレワークを徹底し、出勤者の7割を目指してまいります。蔓延防止等重点措置の地域では、飲食店の時間短縮や見回り、高齢者施設の検査などの集中的な対策により感染を押さえ込んでまいります」

 「全国で重症者、死亡者数も急速な増加が続いており、東京や大阪では、重症者に占める20代から50代の若年層の割合が高くなっております。若い世代での感染を抑制することでリスクの高い高齢者への波及を防ぐことが重要です。一人一人が意識を持って行動し、マスク、手洗い、3密の回避という基本的な予防策を撤退するよう改めてお願いを申し上げます」

 「長引く感染対策の決め手となるのがワクチンです。昨年来、世界の国々ではいわゆるロックダウン(都市封鎖)を含めた強力な対策が講じられてきましたが、ワクチン接種が進むことで大幅な感染者数の減少がもたらされ、結果的にはかつての日常の活動を再開をする国も出てきております。英国では国民の約半数に1回接種を行ったところですが、一時、1日6万人を超えていた新規感染者数が約2000人まで減少しております」

 「私たちが安心した日常を取り戻すことができるかどうか。それはいかに多くの方にワクチン接種ができるかどうかにかかっている。こう言っても過言ではありません。私自身が先頭に立ってワクチン接種の加速化を実行に移します」

 「来週より、順次全国の自治体で本格的な接種が始まります。この24日からは、東京、大阪の大規模接種センターでも始まります。その後、1日100万回の接種を目標とし、7月末を念頭に、希望する全ての高齢者に2回の接種を終わらせるよう、政府としてはあらゆる手段を尽くし、自治体をサポートしてまいります。そのために必要なのは、確実なワクチンの供給とスタッフの確保です。すでに全国の市町村に対し、来月末までの供給量を示しており、月始めまでに約4000万回分をお届けを致します」

 「医師、看護師などの確保についても、個別の市町村の状況に応じてしっかりと対応していきます。先日、日本医師会の中川(俊男)会長、また、日本看護協会の福井(トシ子)会長にお会いし、直接協力要請を行うとともに、休日夜間の体制拡充への支援も決定いたしました」

 「また医療機関に勤務している医師や看護師の方々が兼業して接種を手伝うこと。さらに、歯科医師の協力を得ることも進めてまいります」

 「先日、訪米の際に私が(米製薬大手)ファイザー社のCEOと協議した結果、新たに9月末までに5000万回分のワクチンが追加されることとなりました。さらに来年分として、(米製薬会社)モデルナ社や(米バイオ医薬品企業)ノバックス社と合計2億回分の供給を受けることを前提に協議を進めております。そうした中で、来月中をめどに、高齢者の接種の見通しがついた市町村から、基礎疾患がある方々を含めて、広く一般の方々にも接種を開始したい。このように考えております」

 「あとファイザー社との協議においては、東京五輪・パラリンピック大会に参加する各国の選手団に対し、ワクチンを無償で供与をしたいという申し出がありました。IOC(国際オリンピック委員会)と協議の結果、各国選手への供与が実現し、安全安心の大会に大きく貢献することになると思います」

 「また皆様のご地元では、接種の予約などで混乱が生じているとうかがっています。自治体の業務が円滑に進むよう、政府としても必要な支援を行ってまいります。感染の急拡大の要因とされる変異株について、国内の監視体制を強化し、新たな変異にも常に警戒を行ってまいります」

 「インドにおいて、感染者が急速に増大をし、新たな変異株も確認をされております。当分の間、インド、パキスタン及びネパールからの入国者に3回の検査と、入国後、6日間のホテルでの待機を求め、水際対策を強化してまいります」

=(3)へ続く

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