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米大統領、石油網ハッカー攻撃で露政府に「対処の責任」

 【ワシントン=塩原永久】バイデン米大統領は10日、米石油パイプラインへのサイバー攻撃で、ロシア政府に「対処する一定の責任がある」と述べた。連邦捜査局(FBI)は同日、「ダークサイド」と呼ばれるロシアのハッカー集団が関与したと断定。バイデン政権は国際的な取り締まり強化を目指す方針だ。

 サイバー攻撃を受けた米コロニアルパイプラインは10日、停止していた石油供給網を段階的に稼働させ、「週内に大部分の稼働を回復させる」方針を示した。9日からパイプラインを部分的に再開していた。

 FBIは10日、コンピューターウイルスの一種、ランサムウエアを駆使するダークサイドの関与を確認したとの声明を発表。米司法省とともに捜査に乗り出しており、犯行グループの訴追を目指す。

 バイデン氏は記者団に、「情報機関の分析では現段階でロシア政府が関与している証拠はない」と指摘した。ただ、ハッカー集団が「ロシアにいる」と述べ、ロシア政府に取り締まりなどの責任があるとの認識を示した。6月の開催で調整する米ロ首脳会談で議題に浮上する可能性がある。

 また、ランサムウエアによるハッカー攻撃が増加していることに関連し、バイデン氏は「グローバルな取り組みを追求していく」と説明し、関係国と連携していく方針を示した。

 ランサムウエアは、侵入先企業などのITシステムを停止させたり、顧客情報を窃取したりして、身代金を要求するのが主な目的とされる。

 米メディアは10日、ダークサイドが「(活動)目的は金銭であり、社会に対して問題を起こすことではない」との声明を出したと伝えた。パイプライン攻撃については具体的に言及していない。

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