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テックコンシリエ、ブランディング支援開始

 製造業を主体に大企業向け知的財産活用マネジメント・コンサルティングを行うテックコンシリエ(TC、東京都千代田区)はこのほど、ブロックチェーン技術を使ったNFT(代替不可能トークン)などのデジタルIPを含むさまざまなIP(知財)を活用したブランディング支援事業を開始した。IPミックスに加え、IPの商品化から活用を支援して収益機会創出に貢献する。

 業種が異なれば、知財部やIP事業部で扱われるIPは違う。TCが対象とするIPは、特許などの技術系IPだけではなく、デザイン、ファッション、キャラクター、ゲーム、アート、音楽・映像などの著作物系IPと幅が広い。

 近年、著作物系IPにはデジタルIPも登場した。鈴木健二郎社長は「大企業ではさまざまなIPを保有している。企業の総合的なブランディング戦略構築へ向けて、両方のIP世界の橋渡し役になりたい」と言う。既に自動車や食品などの製造業系大企業に加え、ゲーム、ファッション、アート関連企業などへの推進を始めている。

 実は技術系と著作物系はIPに対する考え方や文化が違うため、専門家団体も異なり交流も少ないという。今回、TCの新事業に参画したライセンシングインターナショナルジャパン元副理事長の上野隆紀氏は「コカ・コーラは飲料の特許権、商標権、意匠権の戦略と商品化権をフル稼働させて世界中のさまざまな商品へライセンスを実施し、全社的ブランド戦略を実現している。このような企業は日本には少ない。それをコーディネートできるコンサルタントは非常に貴重だ」としている。

 特筆されるのはデジタルIPへの対応だ。例えば、商標を施した服や独特な意匠がなされた靴をNFT化したり、VR上のアバターに着用させる新たなブランド戦略が海外ファッション会社で始まっている。TCでは、企業の保有するIPをNFT化して取引市場で収益化する支援を行う。企業や著作者のIPを守りながら、NFTの価値を上げつつ、ブランド戦略の構築、展開を支援する。その手始めとして、マリンアートの巨匠である、クリスチャン・ラッセンの作品群をNFT化する予定だ。

 一方、ブランド戦略でのNFTの活用に関して、「このアプローチは知財法曹界では話題になっていない」(米国の知財法律事務所・弁護士)との声もある。しかし近年、欧米の知財サービス会社ではブロックチェーン技術の活用が着目され始めており、TCの挑戦がそのさきがけの一つとなるのか、今後が注目される。(知財情報&戦略システム 中岡浩)

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