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原発政策、自公に違い エネ計画決定にも影響

 政府の中長期的なエネルギー政策の指針「エネルギー基本計画」の改定を控え、自民、公明両党の原子力政策をめぐる違いが焦点となりつつある。自民は原発のリプレース(建て替え)や新増設を求める方向だが、公明は新増設は認めていない。与党内で調整が難航することも見据え、政府は当初想定していた7月の決定時期を先送りする方向となっている。

 「旧型のもの(原子炉)を最大限安全に動かし、世界で最も安全なものに(交換)していくことに反対するとしたら、そこにどういう意味があるのか」

 自民の甘利明税調会長は27日、原発のリプレース推進を掲げる議員連盟の会合でこう述べた。議連は甘利氏が最高顧問を務めており、平成23年の東京電力福島第1原発事故以降、行われていないリプレースをエネルギー基本計画に盛り込む必要性を改めて強調した形だ。

 党の総合エネルギー戦略調査会では25日にエネルギー基本計画への提言について大筋合意している。電力の安定供給や脱炭素化に向け、リプレースや新増設、運転期間の長期化の検討を政府に求め、2030(令和12)年度の原発比率は現行目標(20~22%)の維持・強化を挙げた。

 一方、「原発ゼロ社会」の実現を目指す公明は原発政策の推進に否定的だ。新増設は認めず、運転期間を原則40年とするルールを堅持する。竹内譲政調会長は26日の記者会見で「さまざまな工夫をして原発の比率を下げていく努力をすべきだ」と語った。

 両党の足並みの違いはエネルギー基本計画の改定にも影響しつつある。

 経済産業省は、菅義偉首相が4月の気候変動サミットで、2030年度の温室効果ガスの排出削減目標を新たに「13年度比46%減」と表明したことを受け、3年に一度改定する同計画を7月下旬に閣議決定するスケジュールを描いていた。計画に盛り込む30年度の新たな電源構成の比率などを決め、「46%減」の実効性を裏付けるためだ。

 ただ、同計画の骨子は5月中に公表する方向だったが、複数回延期されている。経産省幹部は25日の自民会合で計画の決定時期がずれ込むとの見方を示したという。

 背景についてエネルギー政策に詳しい複数の自民議員は「(原発の書きぶりをめぐり)公明との水面下の調整が難航している」と説明する。ある中堅は、秋までに実施される衆院選を挙げ「急ぐ必要はない。計画の決定は選挙後でいい」と語った。(奥原慎平)

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