海外情勢

米政権のキャンベル調整官、クアッドの直接会合「今秋に開きたい」意向

【ワシントン=黒瀬悦成】バイデン米政権のアジア政策を統括するキャンベル国家安全保障会議(NSC)インド太平洋調整官は26日、スタンフォード大のオンライン会合で講演し、日米とオーストラリア、インドの4カ国による枠組み「クアッド」首脳による直接会合を今秋に開きたいとの意向を明らかにした。ロイター通信が伝えた。

キャンベル氏は秋の会合について、インド太平洋地域で巨大経済圏構想「一帯一路」などを通じて影響力を拡大させる中国をにらみ、「インフラ分野で(クアッド)4カ国の取り組みを強化したい」と述べた。

3月に行われたクアッド首脳によるオンライン会合では、新型コロナウイルスのワクチン開発と普及に関する連携強化で合意したほか、年内に直接会合を開くことで合意していた。

キャンベル氏は米国の対中政策に関し「関与と表現されてきた時期は終わりを迎えた」とした上で「現在の支配的な枠組みは競争だ」と指摘した。さらにクアッドの目標は「私たちに最善の結果をもたらす方向で安定的で平和的な競争を展開することだ」と強調した。

また、米国がアジア関与を深めるのに際し、「確固とした経済構想」を掲げることが重要だと訴えた。

バイデン氏は3月、ジョンソン英首相との電話会談で、一帯一路に対抗するための民主主義諸国によるインフラ整備構想を提案したいと表明していた。

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