海外情勢

国連安保理 西アフリカ・マリの政変で非難声明

 【ニューヨーク=平田雄介】国連安全保障理事会は26日、西アフリカ・マリで暫定政権のヌダウ大統領やウアンヌ首相らが、治安部隊によって拘束されたことを強く非難する報道声明を発表した。ヌダウ、ウアンヌ両氏に代わり、暫定政権のゴイタ副大統領が実権を掌握しており、ゴイタ氏の側近は同日、両氏が大統領と首相をそれぞれ「辞任した」と発表した。

 ロイター通信によると、ゴイタ氏はケイタ前大統領を失脚させた昨年8月のクーデターの首謀者。さらなる政変を、フランスのマクロン大統領は「クーデターの最中のクーデター」と評した。さらに欧州連合(EU)や米国と並んで、マリの指導者層に対する標的制裁を検討していることを明らかにした。米国務省は同日、マリの治安部隊と軍への対外援助を停止した。

 今回の政変は24日の内閣改造をゴイタ氏の同意を得ないまま実施したことが原因とされる。両氏は首都バマコ近郊の軍基地に拘束された。内閣改造では、昨年のクーデターに参加した閣僚2人が交代していた。

 暫定政権は来年2月に予定される民政移管に向けた大統領選と総選挙の準備を進めていた。ゴイタ氏は声明で、選挙は予定通りに実施すると述べている。

 安保理の声明は「強制的な辞任を含め力で暫定政権の指導層を交代させることは受け入れられない」と強調。拘束された両氏らの即時、無条件での解放を要求した。民政移管を支持する方針も改めて確認した。

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