海外情勢

インド、コロナ回復者襲う真菌症拡大 感染者1万人

 【シンガポール=森浩】新型コロナウイルスの深刻な感染状況が続くインドで、回復した患者らが真菌(カビ)の一種が原因とされる「ムーコル症」を発症するケースが急増している。発症者は1万人以上に達した。米疾病対策センター(CDC)はムーコル症の致死率を54%としており、事態を重く見たインド政府は、薬の供給強化など対策に乗り出した。

 ムーコル症は免疫が低下した人に起こりやすいとされ、感染すれば呼吸困難などを引き起こす。眼球に深刻な症状が出る場合があり、眼球摘出が必要になった例も報告されている。

 インド全国で判明しているだけで約200人が死亡した。地元メディアによると、発症者のほとんどに新型コロナの感染歴があったという。専門家は不衛生な医療機器の使用や、新型コロナ治療で用いられたステロイド剤の過剰投与が免疫力の低下を招いた可能性があると指摘した。

 インドの新型コロナ感染者は約2700万人で、米国に次いで世界で2番目に多い。1日当たりの新規感染は今月上旬は40万人を超える日が続いたが、ロックダウン(都市封鎖)などの効果で減少傾向にある。

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