国内

9都道府県での緊急事態宣言、6月20日まで延長 政府決定

 政府は28日、新型コロナウイルス対策本部の会合を官邸で開き、東京、大阪など9都道府県での緊急事態宣言の期限延長を決定した。これまでの5月31日から6月20日までに延ばし、沖縄県の期限とそろえた。宣言に準じた措置がとれる「蔓延(まんえん)防止等重点措置」も、適用中の8県中5県で5月31日の期限を6月20日まで延長すると決めた。

 大型連休前に「短期集中」として発令された宣言だが、2回の延長を経て期間は約2カ月に及ぶことになった。政府は7月23日開幕の東京五輪をにらみ、感染や病床の状況改善を徹底し、ワクチン接種の加速に全力を挙げる構えだ。

 菅義偉首相は対策本部で「全国の新規感染者数は今月中旬以降、減少に転じたが、依然予断を許さない」などと延長の理由を説明。ワクチン接種に関して「加速化をさらに進めるため、打ち手の拡大や個別医療機関への財政支援などあらゆる対策を講じていく」と強調した。

 宣言の期限を延長するのは、北海道、東京、愛知、大阪、兵庫、京都、岡山、広島、福岡の9都道府県。対象地域では酒類やカラオケを提供する飲食店への休業要請や、大型商業施設に対する午後8時までの営業時間短縮要請などの対策が継続される。

 重点措置は埼玉、千葉、神奈川、岐阜、三重の5県で延長する。6月13日が期限の群馬、石川、熊本の3県は延長を見送った。

 政府は宣言解除の目安として、病床などの指標が「ステージ3(感染急増)」相当まで下がることを挙げてきた。内閣官房の集計(今月26日時点)によると、宣言対象10都道府県のうち病床使用率では9、新規陽性者数では8の都道府県が、それぞれ最も深刻な「ステージ4(爆発的感染拡大)」にとどまっている。

 政府はインド由来の変異株にも警戒を強めている。西村康稔経済再生担当相は対策本部に先立つ有識者会議の会合で、インド型の感染力が従来型の約2倍だとの分析に触れた上で「最大限の警戒をもって対応する」と強調した。

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