【ニューヨーク=平田雄介】国連の国際民間航空機関(ICAO)理事会は27日、特別会合を開き、ベラルーシ当局がアイルランドの航空会社ライアンエアの旅客機を強制着陸させ反体制派ジャーナリストを拘束した問題をめぐり、強制着陸について調査することを決めた。ロイター通信が伝えた。6月25日までに暫定報告書を作成する予定。ただし、調査権限も限られ、各国に強制力のある措置を取ることはできない。
ロイターによると、反体制派ジャーナリストの拘束については、欧米に対抗する上でベラルーシを同盟国とみなすロシアが「ICAOの権限外だ」と主張。調査対象から外れた可能性がある。ベラルーシは、旅客機は当局によって強制的に首都ミンスクに着陸させられたわけではなく、目的地のリトアニアの首都ビリニュスに直行することもできたと主張したとされる。
特別会合の開催はアイルランドやリトアニアなどが要請。終了後、アイルランドのライアン運輸相は声明を出し、ベラルーシ当局の行動を「欧州の空の安全に対する挑戦だ」と非難。拘束された反体制派ジャーナリストのロマン・プロタセビッチ氏と交際相手のソフィア・サペガ氏の「無条件での解放」を要求した。
ICAOは国際航空のルール作りを目的に1947年に設立された国連の専門機関。ベラルーシを含む193カ国が加盟している。