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コロナ禍、就活生“明暗” デジタル人材は引く手あまた

 令和4年卒業予定の大学生らの就職活動は、面接などの選考が政府主導の日程ルールの下、6月1日解禁される。新型コロナウイルス感染拡大下での2度目の就活で、企業の採用意欲は底堅いが、業界による差も大きい。デジタル人材の採用が広がる一方、打撃を受けた観光、運輸などは採用を絞る動きが目立っており、就活生の明暗が分かれそうだ。

 「今の就活生は大学入学時、デジタルのスキルがここまで重視されるようになると分からなかった。(有望な分野を選びたくても選べなかった)不公平感があるといえる」。第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストはこう語る。

 パナソニックの三島茂樹最高人事責任者(CHRO)によると「デジタル人材がいろいろな業界や業種で争奪戦になっている」。背景には、対面での仕事や暮らしをオンライン化するニーズがコロナ禍で高まっていることなどがある。同社は来春の新卒採用で「クリエイティブ系コース」を新設し、プログラミングの経験が豊富なデザインエンジニアといった業種を募集する。

 同じように、日立製作所は昨年、デジタル分野の研究開発職などへの配属を確約し、給与を個別に設定する採用コースを新設。キリンホールディングスは3年春採用から「デジタルICT戦略コース」を設け出身学部は不問とした。

 一方、コロナ禍で業績が悪化した企業は厳しい。ロイヤルホテルは例年15人程度の採用を来春は若干名に抑える。JR西日本は採用人数を、例年並みだった今年4月の544人から来年4月は130人へ減らす。

 業界によって前倒しの内定を出すスピードにも差が生まれており、就職情会社ディスコ(東京)学生に複数回答可で内定を受けた企業の業界を聞くと、5月1日時点の比率のトップは「情報処理・ソフトウエア・ゲームソフト」(36・7%)、続いて「建設・住宅・不動産」(17・1%)だった。

 また、ディスコの調査では、オンラインで採用活動を進めている企業は9割以上。日立製作所は面接を原則オンラインで行うほか、リクルートスーツの着用を不要にし、面接官の服装も制限しない「ドレスコードフリー採用」を始めた。

 ただ、別の就職関連企業の調査では対面の相談などによる情報収集の機会の減少を問題視する声が多かった。思い通りに就活できず不満が強まる可能性もある。

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