海外情勢

WHO、パンデミック対策の機能・体制強化を決議 総会閉幕

【ロンドン=板東和正】世界保健機関(WHO)年次総会は5月31日、将来のパンデミック(世界的大流行)に対応するため、WHOの機能や体制を強化する方針を盛り込んだ決議案を採択し、閉幕した。

感染症発生時の情報共有など加盟国の連携強化を図る「パンデミック条約」を制定する方針も合意。WHOや各国の新型コロナウイルスへの対応が遅れた反省を踏まえ、改善に向けた一歩を踏み出した。

31日に採択された決議では、WHOが新型コロナの対応で十分な備えができていなかったと指摘した上で新たな感染症に向け「WHOの能力を強化し続ける」方針を明記。WHOの機能や体制を強化するための作業部会を設置するとした。 作業部会は加盟国の代表らで構成され、来年の年次総会で機能強化などの具体的な方針をまとめた提言を公表する予定。

WHOの新型コロナ対応を検証する独立委員会は総会で、感染症が発生した際、当該国の同意なしに即座に情報を発信し、現地調査を実施できるようにWHOの権限を強化すべきだとする最終報告書を提出した。作業部会は独立委の最終報告書をもとに提言を作成するとみられる。

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