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自民「政治とカネ」説明責任果たさず4氏が退場 

 「政治とカネ」の問題を指摘された自民党出身の国会議員が、説明責任を果たさぬまま政界から退場するケースが後を絶たない。8日に略式起訴された前経済産業相の菅原一秀元衆院議員を含め、昨年末から4人が議員辞職に追い込まれたが、いずれも記者会見は開かなかった。秋までに行われる衆院選に向け、沈黙は菅義偉(すが・よしひで)政権の傷口を広げることにもなりかねない。

 「説明責任は本当に果たしていただきたい」。自民党の世耕弘成参院幹事長は8日の記者会見で、菅原氏に厳しくこう迫った。

 菅原氏は、略式起訴される直前の3日に議員辞職した。鶏卵生産大手グループの元代表からの現金受領事件に絡み、1月に在宅起訴された元農林水産相、吉川貴盛被告も昨年12月、衆院議員を辞職している。

 さらに今年2月には令和元年7月の参院選広島選挙区をめぐる買収事件で河井案里元参院議員=有罪確定=が議員辞職し、4月には夫で元法相の克行被告も衆院議員を辞職した。いずれも自身の事件に関する説明は避けている。

 菅原氏は議員辞職願を提出した今月1日の談話で、会見などを行わない理由について新型コロナウイルス禍などを挙げた。しかし、東京地検特捜部が昨年6月、別件で告発された菅原氏を不起訴処分(起訴猶予)とした直前には、コロナ禍だったにもかかわらず会見を開いていただけに説得力はない。

 「捲土重来を期したい」。菅原氏は自民幹部に、秘書を通じてこう訴えた。政治の師と仰ぐ首相は2日、記者団に「本人は時機を見て説明する責任がある」と述べたが、実現する見通しは立たないままだ。(今仲信博)

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