5時から作家塾

貿易を再開させたい北朝鮮、それでも新大橋開通を渋る理由 (2/2ページ)

 懸念される「マイカーの乗り入れ」

 平壌に駐在経験もある中国朝鮮族の実業家は、北朝鮮が新大橋開通に積極的ではない理由として、マイカーの乗り入れを強く警戒しているのではないかと指摘する。

 計画では、新鴨緑江大橋は貿易用のトラックだけじゃなく、一般のマイカーで直接、北朝鮮・新義州への乗り入れることも含まれている。中国人は自分の車でそのまま北朝鮮へ行き、日帰りや1泊観光して、そのまま戻ることを想定しているのだ。移動できるのは新義州限定なのだが、これが懸念になっていると前出の実業家は話す。

 「先行事例として、東北の羅先も中国側からそのままマイカーで乗り入れることができ、中国から見れば人気の観光地となったのですが、平壌では朝鮮側へ悪影響になっていると考える人が少なからずいて、新義州のマイカー乗り入れは止めさせるべきだとの話が出ているようです」

 また新義州には、羅先とは違う事情もあるという。

 「羅先から平壌は820キロメートルほど離れており、道も悪路なので移動は難しいのですが、新義州から平壌は220キロメートルほどと地理的に近く、また道路も比較的に整備されているので、中国側が『新義州と合わせて平壌までマイカー移動解禁』を要求してくることを強く警戒しているようです」(同)

 考えられるXデーは

 北朝鮮は中国人が大挙してやってくることを根強く警戒しており、それが根っことなり新鴨緑江大橋を計画通りの全面開通を渋っている現状が浮かび上がってきた。物資や外貨はほしいが、中国人はいらないということだろう。

 現在、中朝で、マイカー乗り入れの中断や延期など、中国側に何かしらの取り決めを求めて詰めの協議をしている可能性がある。

 それらの調整を経て、考えられるXデーは、今年100周年ということで早くから盛り上げている中国共産党創建記念日である7月1日あたりか。しかし、これだと北朝鮮側の旨味はない。そうすると、北朝鮮の建国記念日である9月9日になるかもしれない。この日は、毛沢東の命日とされる日で、習近平政権にとっても意味ある日となり、中朝双方に旨味はありそうだ。(筑前サンミゲル/5時から作家塾(R)

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5時から作家塾(R) 編集ディレクター&ライター集団
1999年1月、著者デビュー志願者を支援することを目的に、書籍プロデューサー、ライター、ISEZE_BOOKへの書評寄稿者などから成るグループとして発足。その後、現在の代表である吉田克己の独立・起業に伴い、2002年4月にNPO法人化。現在は、Webサイトのコーナー企画、コンテンツ提供、原稿執筆など、編集ディレクター&ライター集団として活動中。

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