海外情勢

米台が貿易協議再開へ 対中ハイテク争い、かぎ握る半導体

 【ワシントン=塩原永久、北京=三塚聖平】バイデン米政権が台湾と貿易協議を再開させる方向となった。米通商代表部(USTR)のタイ代表と台湾の●(=登におおざと)振中政務委員(無任所大臣に相当)が10日、合意した。中国の反発をよそに米国が台湾との貿易関係強化を目指す背景には、世界的な半導体生産拠点である台湾が、中国とのハイテク覇権争いを左右する鍵を握る存在となったことがある。

 オンラインで初会談したタイ氏と●(=登におおざと)氏は、包括的な貿易協定に道を開く貿易投資枠組み協定(TIFA)の協議を、「数週間内」に開くことで一致。米経済界からは「今こそ台湾との経済関係を高い次元に引き上げるときだ」(米台経済協議会)と歓迎の声が出た。

 米台が1994年に合意したTIFA協議は、2016年を最後に中断。台湾が希望する協議再開に米国が乗り出すのは、半導体の先端品で9割超の世界シェアを握る台湾と、関係を強化するのが得策だとの計算が働いたとみられる。

 中国外務省の汪文斌報道官は11日の記者会見で「中国と国交がある国が、台湾と公的性質を持つ協定の協議や署名を行うことに断固反対する」と反発した。

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