海外情勢

G7首脳声明「台湾海峡の平和と安定」明記しサミット閉幕 人権問題も中国名指し

 【コーンウォール(英南西部)=板東和正】先進7カ国首脳会議(G7サミット)は13日、中国の圧力で緊張が高まる台湾情勢をめぐり、「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸(中台)問題の平和的解決を促す」と明記した首脳声明を採択し、3日間の討議を終えて閉幕した。新疆(しんきょう)ウイグル自治区での人権問題でも中国を名指した。また、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)収束目標を2022年に設定した。さらに、東京五輪・パラリンピック開催への支持も打ち出した。

 英南西部コーンウォールで対面で行われた今回のG7サミットは「中国」問題が重大なカギとなった。

 G7サミット声明に「台湾海峡」に関する文言が盛り込まれたのは初めて。中国の覇権的な海洋進出を念頭に、東・南シナ海での情勢への「深い懸念」も示して、「緊張を高めるいかなる一方的な試みにも強く反対する」と表明した。法の支配に基づく「自由で開かれたインド太平洋」を維持する重要性も確認した。

 中国に対して、新疆ウイグル自治区での「人権や基本的自由」を、香港の「自由と高度な自治」を尊重するよう求めた。さらに声明で発展途上国へのインフラ投資を進める方針を盛り込んだ。中国が周辺国で進める巨大経済圏構想「一帯一路」への対抗策となる。

 北朝鮮については、「朝鮮半島の完全な非核化」とともに違法な大量破壊兵器と弾道ミサイルの「検証可能かつ不可逆的な廃棄」を求める方針で一致。拉致問題の即時解決も求めた。

 加えて首脳声明で、東京五輪・パラリンピック開催について「新型コロナウイルス克服に向けた世界的な結束の象徴として、安全かつ安心な方法で開催することを支持」と明記した。

 議長のジョンソン英首相は13日、閉幕後の記者会見で 「G7として私たちがすべきことは民主主義、自由、人権の恩恵を世界に示すことだ」と強調した。

 また、バイデン米大統領も同日、記者会見で中国の人権侵害問題を明確に指摘し、「(少数民族ウイグル族などへの)強制労働に対する厳しい措置を取ることでも合意した」と強調。新型コロナのウイルス流出元とされる湖北省武漢の研究所への調査を中国側が認めていないと批判し、実態解明へ透明性を要求した。

 サミットで、バイデン氏は「われわれは中国だけでなく、世界中の専制国家と競争している」と述べ、民主主義勢力が団結して対抗する必要性まで訴えた。

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