海外情勢

米でインド株蔓延の恐れ ワクチン1回接種は免疫期待できず

 【ニューヨーク=平田雄介】新型コロナウイルスのワクチン接種で感染状況が改善した米国で、インド株の脅威が増している。感染力が強いインド株が今後3週間で蔓延(まんえん)する恐れがあり、1回のワクチン接種では十分な免疫が期待できないとされる。接種率の伸び悩みが指摘される中、専門家は「早く接種を完了しよう」と呼びかけている。

 米疾病対策センター(CDC)は15日、インド株を「懸念される変異種」に指定し、市民に注意を呼びかけた。

 インド株は、従来型より感染力のある南アフリカ株と比べても、感染力が60%強い。米国でインド株が見つかる割合は1日の新規感染者の1割程度だが、最近、増加している。

 ファウチ国立アレルギー感染症研究所長は8日の会見で「このままだと南アフリカ株に代わって主流になる。(英国の)二の舞になってはいけない」と警鐘を鳴らした。

 ただ、インド株対策の“希望”はワクチン接種の完了によってできる免疫で、2回接種するタイプの米製薬大手ファイザー製ワクチンの有効性は96%だった。

 米国ではバイデン大統領が7月4日の独立記念日までに成人の7割が1回以上接種するという目標を掲げており、16日時点の到達度は64%だ。従来型に対しては2回接種タイプのワクチンでも1回の接種で免疫ができるが、インド株への予防には接種を完了させることが重要になる。

 1回以上の接種率が7割を超えた東部ニューヨーク州と西部カリフォルニア州は15日に規制がほぼ解除され、解放感が広がる一方で完了率は全米の約55%と同水準となっている。

 英統計サイト「アワー・ワールド・イン・データ」によると、100万人当たりの接種回数(7日間平均)は4月13日の1万120回をピークに減少し、6月5日には2804回まで落ち込んだ。接種率が上がるにつれて接種回数は減っている状況だ。

 地域格差も課題で南部のミシシッピ、アラバマ、アーカンソー、ルイジアナ、ジョージア、西部ワイオミング各州の完了率は3割前後。人口密度が低く危機意識を持ちづらい上、接種を「体力への自信のなさ」「弱さ」の表れとみる人が多いのも一因とされる。

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