国内

ワクチン接種は動線確保、熱中症対策も 近大でもスタート

 学生や教職員を対象にした新型コロナウイルスワクチンの大学での接種が21日から始まった。企業での職場接種も拡大し、64歳以下の一般接種が本格化。菅義偉(すが・よしひで)首相は希望する国民への接種を10~11月に終えると表明している。政府は人との接触や移動の機会が多い若者や現役世代への接種を加速させ、感染リスクを最小限に抑えることを狙う。

 近畿大の東大阪キャンパス(大阪府東大阪市)では午前9時45分に接種の受付が開始。オンラインで予約した学生らは、学生証などを職員に提示して順に会場に入ると、予診票を手に問診の列に並んだ。問診を終えた学生は次に看護師が待機するブースに入り、シャツの袖をまくって接種を受けた。

 接種を終えた経営学部2年の延命(えんめい)心磨(たゆま)さん(20)=奈良県生駒市=は「思いがけず早く打てると聞いて、いち早く予約した。オンライン授業は便利だが、知り合いもなかなか増えないので対面授業が待ち遠しい」と期待を寄せた。

 会場では学生が一方通行になるように動線を工夫したほか、扉の近くには大型扇風機を置いて換気を行い、感染防止対策を徹底した。

 暑さが本格化する中、熱中症対策も課題に。会場の入り口には飲料水や冷却パックを用意し、経過観察の待機スペースを中心に10台以上の冷風機も設置した。

 近大は東大阪と奈良両キャンパスなどに計約3万4千人の学生と教職員らが在籍。21日朝時点で約1万5500人が予約している。今後、1日あたり最大2千人ペースで希望者への接種を進め、8月上旬に2回目の接種を完了する。大学関係者の接種完了にめどが立てば、地域住民への接種も検討するという。

 担当者は「多くの学生や教職員から予約をいただいており、期待の表れと感じる。安心して接種してもらえるようしっかり進める」と述べた。

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