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フィリピン、電動化へのユニークな対応

 環境問題が世界的な課題となる中、先進国を中心にハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)など自動車の電動化の動きが加速している。例えば、米国を代表する完成車メーカーであるゼネラルモーターズ(GM)は、2035年までに全ての新車を電動化すると発表している。しかし、新興国では、当面の間は内燃機関車が主流となる見込みであり、環境問題への対応が遅れることが懸念されている。

 一般に、1人当たり国内総生産(GDP)が3500ドル(約38万7600円)を超えると急速に自動車の普及が進むとされる。アジアでは、フィリピンとベトナムがちょうどこの水準にあり、今後は、急速な増加が予想される新車に対して、世界的イシューとなっている環境問題への対応が求められる。同時に、これまでに広く普及し、今後も併用が予想されるバイクなどの軽車両にどのように対応していくかが課題となっている。

 20年にフィリピン政府は、EV製造などに830億ペソ(約1892億4000万円)を補助する方針を示した。このうち300億ペソが、バスやトラックなどの商用車や乗用車の電動化支援に充てられるが、他方で、過半となる530億ペソはバイクやジプニー(フィリピン式乗り合いバス)、トライシクル(三輪タクシー)の電動化支援に充てられる。四輪車の本格普及に向けた対応と同時に、国民の足となっている軽車両への対応に重点を置いており、フィリピンならではのユニークなものとなっている。(日本政策投資銀行産業調査部調査役 寺尾直也)(編集協力=日本政策投資銀行)

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