中国共産党の公式見解によると、1949年の新中国建国以来の七十数年間は、毛沢東時代、トウ小平時代(ポストトウ小平時代を含む改革開放時代)、習近平時代(新時代)に三分される。
この分け方は、習近平が2017年の前回党大会で言い出したもので、その狙いは時代を画する指導者として自らを、毛沢東、トウ小平と同列に位置付けることにあるといえよう。従来は、党の「核心」になれなかった胡錦濤はともあれ、同じ「核心」である江沢民を、毛沢東、トウ小平、習近平と同格としていたが、三分法によって、江沢民は習近平らより格の低い指導者とされてしまった。
毛沢東時代は毛沢東の強烈な個性を色濃く反映した革命の時代で、それは「最後の革命」とも称される文化大革命(文革)に象徴される。トウ小平時代は文革によって痛めつけられたトウ小平の、文革の再現は許さず、国と国民を豊かにするという強い思いが反映された時代だった。
だが、習近平時代は文革の終了から三十数年後の12年に始まっており、指導者の意識からは文革の反省や文革の教訓といったものがかなり薄れてしまった時代である。それはトウ小平や胡耀邦らの主導下で1980年に策定された「党内の政治生活に関する若干の準則」と習近平の意向に沿って2016年にまとめられた「新情勢下の党内の政治生活に関する若干の準則」を比較してみるとよく分かる。
旧準則は、毛沢東の一言一句を「真理」とみなした文革時の誤りを指摘し、思想の解放や集団指導の堅持、個人の独断の否定を強調している。だが、新準則は、党員、幹部のマルクス主義や「中国の特色ある社会主義」に対する信念の動揺、党への忠誠が不十分なこと、規律のゆるみなどを現在の主要な問題とし、党中央の権威や「核心」である習近平の擁護を強調している。
もっとも、新準則も「鶴の一声」的存在や家父長制を批判し、集団指導を堅持すべきと述べてはいる。だが、新準則の重点はそこにはない。
習近平の引退時期は不明だが、習近平時代(ポスト習近平時代を含む)は建国100年の今世紀半ばまで続くと想定されている。
建国100年の中国は目標通りに、米国に匹敵する、あるいは米国を凌駕(りょうが)する「社会主義現代化強国」に成長し、中華民族の偉大な復興である「中国の夢」を実現しているだろうか。その成否は米中覇権争いの行方に左右されることになろう。(敬称略)