国内

「副反応が不安」若者に広がるワクチン忌避の動き 学校や企業による配慮が大切

 新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、若い世代ではワクチンを「打ちたくない」と考えている人が一定数いる。コロナによる死者の大半は高齢者。重症化リスクが低く、ワクチン接種の意味を見いだせない若者がいるのも事実だ。接種機会の拡大に伴い、周辺で副反応に苦しむ同世代を見たという人も増えている。専門家は、副反応が出た際に備え「学校や企業による配慮が大切になる」と訴えている。

 全員が打たなくても…

 「もし副反応があったら…」。滋賀県に住む女子学生(20)は早急な接種を希望しない一人だ。

 当初から「急いで作られたワクチンを打つのは不安」と感じていた。母親の知人が接種後、副反応とみられる重篤な症状に見舞われ「寝たきり」になったと人づてに聞き、懸念は一層強まった。テレビや新聞では、そうした話は一切出てこない。「報道されていないだけで、こうしたケースはたくさんあるのでは」と不安にかられている。

 「医療従事者の友人が接種後、副反応でつらそうだったのを見た」。愛媛県の20代女性も接種に否定的な考えを持っている。「ワクチンは打たない」というある人気タレントの発言にも影響を受けたといい、「全員が打たなくても集団免疫はできると思う」(女性)。

 若い女性ほど高頻度

 ワクチン接種後の発熱や頭痛などの副反応は、「若い女性」で起きる頻度が高い傾向がある。

 ファイザー製ワクチンを接種した医療従事者約2万人を対象にした健康調査では、2回目の接種後に37・5度以上の発熱があったのは、20代が全世代で最多の約50%に上った。これに対し、30代約46%▽40代約38%▽50代約30%▽65歳以上約10%-と、世代が上がるにつれて発生頻度は低くなっていた。

 頭痛や全身の倦(けん)怠(たい)感といった副反応についてもほぼ同様の傾向がみられ、いずれの症状も男性よりも女性に多くみられるという。

 「副反応が心配」

 若者が接種を避けたいと考える傾向は、別の調査でも明らかになっている。

 (1)接種したい(2)様子を見てから接種したい(3)接種したくない-。約2万6千人を対象とした国立精神・神経医療研究センター(東京)によるインターネット調査(2月実施)では、全体の11・3%が「接種したくない」と答えた。

 顕著だったのは年齢による差だ。世代別では15~39歳の女性の15・6%が接種したくないと回答したのに対し、65~79歳では7・7%にとどまった。男性も同様に15~39歳では14・2%に上ったが、65~79歳は4・8%だった。

 接種を希望しない理由(複数回答可)では、「副反応が心配」が最多の73・9%。「あまり効果があると思わない」(19・4%)、「ワクチンを打ちに行く時間がない」(8・8%)が続いた。

 東京医療保健大の菅原えりさ教授(感染制御学)は「日本でも接種が進み、どんな症状が出るか分かってきた。政府などはリスクとともに、コロナに対する有効性を正しく伝えることが重要」と指摘する。

 さらにインターネットには根拠のない情報も出回っているとして、「若者が情報収集するときには、その情報源が政府や行政、学会など信頼できるものなのかを確認するようアナウンスすることも必要」と強調した。

 菅原氏自身も接種後、いくつかの副反応を経験したといい、「個人差はあるが、症状はそれなりに出ると思う。その際に授業や仕事をきちんと休めるよう、学校や企業は配慮をすることも大切ではないか」と提言した。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus