国内

選手村食材懸念の韓国に福島知事「誤解ただして」

 大韓体育会(韓国オリンピック委員会)が、東京五輪選手村の食事に福島県産の食材が使われることを懸念、選手村近くに独自の給食センターを設置したことについて、福島県の内堀雅雄知事は19日「誤解、偏見をただし正しく認識してもらうことが風評払拭の本質」などと述べ、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故以降、関係者が続けた努力が理解されないことに悔しさをにじませた。定例会見で記者の質問に答えた。

 韓国の聯合ニュースは先週、福島県の食材を避けるため大韓体育会が給食センターを作り、給食支援団が安全な食材で弁当を作るなどと報道。関係者の「セシウム測定器も準備、調理過程で食材に濃縮された放射能の量も細かく点検する予定」との談話も紹介した。

 内堀知事は「本当に残念。東日本大震災と原発事故から10年、本県の農業者や生産者、関係者は努力、努力、努力を重ねてきた」と強調。その上で、農地の除染▽安全対策▽徹底したモニタリング▽蓄積したデータの公表-などに総力で取り組んできたと訴えた。

 また、内堀知事は「世界一厳しい日本の放射性物質の基準を超えるものが玄米は6年連続、野菜果実は8年連続、畜産物、栽培山菜・きのこは9年連続で基準値を超えていない」とし、「努力の結果が科学的にデータ上、明確に示される状況」と胸を張った。

 今回の報道で「事実を把握してもらっていないと改めて実感した」と話す内堀知事は「誤解、偏見をただし正しい情報を認識してもらうのが風評払拭の本質」と話し、更なる努力が必要との認識を示した。

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