株価・外為

株価下落は政局リスクへの警戒も 乏しい上昇材料

 日米欧で同時株安が起きたのは、感染力が強い新型コロナウイルスのデルタ株拡大による景気の下振れリスクが顕在化したためだ。特に日本は各国から選手団を迎えて開催する東京五輪を直前に控え、低いワクチン接種率も相まって感染拡大リスクが高まる不安から、株価下落に拍車がかかる懸念もある。東京都議選で自民・公明両党が過半数割れした結果を政局リスクと警戒し日本株を買い控える動きもあり、上昇材料は乏しい。

 ワクチン接種が一巡した米国や英国でデルタ株の感染者が1日数万件ペースで増えたことで、消費を中心に経済活動が減速し、当初期待した景気回復が後ずれすることの警戒感から各国で株が売られた-というのが今回の株安に対する多くの市場関係者の見立てだ。

 ただ、バイデン米政権は大型経済対策の関連法案や8年間で1・2兆ドル(約130兆円)のインフラ投資計画の成立を急いでいる。「経済政策で株価は持ち直す」(三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジスト)ため、米株安は一時的だとの見方が強い。

 一方、日本株をめぐっては不安材料が噴出する。ワクチン接種は遅れ、12日には東京都に4回目の緊急事態宣言が発令されたことで飲食や宿泊などに逆風が吹き続けている。東京五輪には各国から数万人の選手団や関係者が来日予定だが、既に感染者が確認され、五輪を契機に新たな変異株が発生する恐れすら指摘される。このため「五輪後の感染状況を見極めるまで、日本株は上値の重い展開が予想される」(市川氏)。

 菅(すが)義(よし)偉(ひで)政権の支持率低迷も投資家の日本株離れを助長している。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジストは「衆参両院の3選挙での全敗と都議選の惨敗で菅首相の求心力が落ち、(秋の衆院解散・総選挙後に)安定政権が確立されないとみる投資家が日本株を売り出している」と説明する。

 秋に向け具体化する令和3年度第1次補正予算の内容などプラス材料もあるが、政権同様に株価の動きも落ち着きがない。(西村利也)

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