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「暴論で無責任」 茨城県知事、安易な五輪中止論に否定的

 茨城県の大井川和彦知事は29日の記者会見で、新型コロナウイルス感染が28日に全国で初めて9千人を突破するなど急拡大している事態を受け東京五輪の中止論が出ていることについて、「感染拡大と五輪開催に直接的な因果関係があるかどうか検証されず、ただ感染者が増えたから中止せよというのは暴論ではないか」と述べ、否定的な考えを示した。

 その上で大井川氏は「金メダリストたちが記者会見で『こういう状況下で開催してくれてありがとう』という発言をする中、マスコミが五輪の中止をぶちあげるのは気を付けた方が良いと思うし、あまり安易に言うのは無責任ではないかと感じている」とも述べ、明確な根拠もなく五輪中止を掲げる一部メディアの対応を疑問視した。

 大井川氏は現在の感染拡大について「五輪開催よりも緊急事態宣言などの長期的な発動からの自粛疲れによる人流の抑制が効いていないことや、デルタ株の蔓延(まんえん)、ワクチン接種のスピードが追いついていないことが大きな要因ではないか」との見方を示した。

 また、五輪の開催が間接的に人流に影響を及ぼしている可能性について問われると、「私は逆だと思う。五輪開催と人流との因果関係が証明されない限り、感染拡大を五輪のせいにすることは少し乱暴ではないかと思っている。自宅で五輪の観戦をする人が増えているとしたら、五輪は逆に人流の抑制に貢献している可能性もある」と指摘した。

 茨城県ではカシマスタジアム(鹿嶋市)でサッカーが開催されている。大井川氏は今月8日の大会組織委員会との会合で、首都圏からの来客に伴う感染拡大リスクを踏まえ、地元の子供に限定し「一生の機会」を提供できる学校連携の観戦を提案、決着した経緯がある。

 大井川氏は22、25、27日の3試合で地元の児童生徒ら約3400人が観戦したことにふれ「実質無観客だが、観戦した子供たちには非常に大きな思い出になったようだ。自国開催の五輪を見る機会というのは一生に1度あればという話。結果的に良い選択をしたのかなと感じている」と自身の決断に胸も張った。

 また、大井川氏は会見で「コロナの感染拡大で世の中にいろいろな声が出ているが、選手の方々は目の前の試合やプレーに集中し、そういう外の声を気にすることなく、これまで培ってきた力を100%、120%発揮することに集中してほしい。ぜひ夢見ていた成果を勝ち取っていただきたい」とエールを送った。

 知事としてコロナ対応の陣頭に当たる自身の役割については「われわれに求められているのは感染拡大をしっかりとコントロールしながらアスリートの頑張り、その頑張りが国民に与える感動を踏まえ、東京五輪という記念すべきイベントを成功させていくことだ」と強調した。

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