国内

全トヨタ労連が旧民主系議員を選別 活動次第で連携、次期衆院選に影響か

 トヨタグループ各社の約35万人が加盟する巨大労組「全トヨタ労働組合連合会」が、旧民主党系議員と連携する従来の枠組みを見直し、組織内候補のほかは5人に絞った。背景には、国会で政権批判を繰り返し、自動車産業や雇用のために十分に活動していないという不満がある。労組と野党の関係に一石を投じる動きで、次期衆院選に影響が及ぶ可能性もある。

 全トヨタ労連は拠点の愛知県を中心に旧民主系国会議員十数人と「連絡会」を作り、意見交換してきた。ところが6月7日の総会では、幹事を務める組織内議員ら4人以外に、活動ぶりを見極めて選んだ「連携議員」5人と活動する新たな方針を加盟組合に示した。(【連合・神津会長に聞く】「立民、国民は政権構想を」)

 立民は愛知県の15選挙区中9選挙区に現職がいるが、うち岡本充功(9区)、重徳和彦(12区)、大西健介(13区)の3氏が連携議員となった。連携議員の残り2人は同労連が最優先で支援する国民民主党。6月、立民、国民民主、無所属の議員が自動車産業の脱炭素化推進に向けた法案を国会に提出したが、法案作成チームの中心は重徳氏で、大西、岡本両氏も提出者に名を連ねた。(【連合東京より共産が「リアルパワー」】立民・安住氏、支持団体に苦言)

 近年は労組執行部が旧民主系というだけで支援を打ち出しても組合員がついてこない現状もある。同労連関係者は、自動運転や脱炭素などをめぐり自動車産業が激変する中で「どの議員が自動車業界や組合のためになる政策を実現してくれるのか、どの議員はそうではないのか、個別に判断するのは当然のこと」と説明する。

 連絡会の議員の1人も「組合員は従業員。関心はどうすれば日本の自動車産業が生き残れるのかだ」と指摘。「政策は一義的には政府・与党の責任だが、野党も『政府に足りない政策を国会で提起し、実現させたのか』を見られている」と強調した。

 全トヨタ労連内には「立民は共産党と近い」との不満もあり、労連幹部から「近づかないでほしい」とクギを刺された立民議員もいる。連携議員の3氏は前回衆院選で無所属や旧希望の党から立候補しており、立民内では共産と距離がある議員に分けられる。

 同労連は「連絡会の目的は政策面の連携で、衆院選での推薦の是非とは別」と説明するが、ある立民議員は「政策で連携する議員を選挙で応援する、とみるのが普通」と述べ、連絡会に入らなかった候補者は同労連を挙げての支援を得られない可能性があるとみている。(田中一世)

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