国内

「前橋のみなさん、ありがとう」南スーダン選手団

 前橋市で事前合宿を行った南スーダン陸上選手団らが10日、前橋市の山本龍市長を訪ね、1年8カ月の合宿を受け入れてくれたことに改めて感謝した。

 「前橋のみなさん、ありがとうございました」。会見した選手団5人は、日本語で感謝の言葉を述べ、英語で振り返った。

 男子1500メートルに出場したグエム・アブラハム選手は「世界のトップ選手と競いあい、交流できた」としたうえで、「独立から10年、初めて大きな国際イベントに参加し、各国の国旗の中に自国の旗を見つけて、ようやく世界の一員になれたと思った」と感慨深げに語った。

 女子200メートルに出場したモリス・ルシア選手は結果(25秒24で予選敗退)には苦い思いを抱きつつ、「簡単ではなかったけれど、みなさんのおかげで、代表として走ることができた」。

 長期の前橋滞在でインターネット上では「群馬代表、前橋代表」などと指摘されたが、アブラハム選手は「光栄なこと。1年半以上もトレーニングした第2の故郷なので、群馬代表という自覚をもって走った」。

 ただパラリンピックについては南スーダン委員会が未承認のため、出場を目指してきたクティヤン・マイケル選手が同国代表として参加するのは難しいという。山本市長は「参加標準記録は突破しており、何らかの形で参加できるよう同国関係者が可能性を探っている」という。

 帰国は26日。母国の希望のために走ると話していたアブラハム選手は「私の国は何度も衝突してきた。五輪を経験し、団結や譲り合いの大切さを知ったので帰国後は、その尊さを人々に伝えていきたい」と語った。

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