菅首相記者会見詳報

(2)「不満は当然のこと」

=(1)から続く

 「第2の柱は感染防止対策です。先日、コロナ分科会より緊急事態宣言の区域における人流の5割削減に向けた提言がなされました。政府としても宣言の地域などにおいて、デパートやショッピングモールなどの混雑する場所について自治体と連携して人数制限を呼びかけてまいります。皆さまにおかれては旅行や帰省は控えていただいた上で、日々の買い物といった混雑した場所への外出を半分減らしていただくなど人流の抑制へのご協力をお願いをいたします」

 「また、職場や学校におけるクラスター(感染者集団)を防ぐために抗原検査キットを広く配布してまいります。それぞれの職場においては、談話室などの共有部分での対策を徹底をしていただくとともに、テレワークの推進を改めて行い、昨年春に多くの企業が達成した出勤者7割減をお盆休み明けにもう一度目指していただくようお願いをいたします」

 「時間短縮、酒類提供の停止を続けていただく事業者の方々には協力金を早期に給付してまいります。また雇用調整助成金や緊急小口資金などの特例も、期限を延長し、事業と暮らしを守っていきます。こうした中で、全国の都道府県と市町村がきめ細かく事業者の支援を実施できるよう、3000億円の交付金を新たに配分をいたします」

 「東京では連日、20代の新規感染者が1000人を超え、20代から50代の感染が全体の8割近くを占めております。感染は、家庭、飲食の場で広がり、職場でのクラスターも急増しています。若い方であっても重症化する場合や、深刻な後遺症が続くケースも報告されており、また夜間滞留人口に占める40代、50代の割合も増加をし、その世代の重症者の増加は、今回の感染拡大の特徴の一つとなっております」

 「医療機関への負荷を減らすため、また皆さま自身の命と健康を守るためにも、今一度、お一人お一人が意識を持って、リスクの高い行動を避けていただきますようにお願いを致します。マスク、手洗い、3密の回避という基本的な予防策を徹底をし、特に会話をするときのマスク着用を改めてお願いをいたします」

 「第3の柱は、ワクチン接種であり、ワクチンはデルタ株に対しても高い効果を示しております。既に85%が2回の接種を終えた65歳以上の高齢者の多くが、今回の感染の急拡大の中にあっても、発症、重症化を防ぐことができています。その結果、陽性者に占める割合、かつての20%台から、足元では3%程度に低下をし、死亡者の数も大幅に低い水準に抑えられております」

 「多くの関係者のご尽力のおかげさまで、ワクチンの接種は全国で、6月は1日平均110万回。7月は1日平均150万回と、目標をはるかに上回るペースで進みました。8月はお盆休みの影響があっても、1日100万回以上のペースで進み、今日までに国民の半数が少なくとも1回の接種を終え、総接種回数は1億1000万回を超えております」

 「世界各国では、ワクチンの接種が一定の進捗(しんちょく)を示すのを機に、通常の社会経済活動へと回復しつつあります。わが国についても、8月末には、全国民の半数近くの方が2回の接種を行い、そして9月末には6割近くの方が2回の接種を終え、現在の英国や米国並みに近づく見通しです。全ての対象者の8割に接種できる量のワクチンを10月初旬までには配分をいたします」

 「長きに渡る新型コロナとのこの戦いで、多くの皆さまに、精いっぱいご協力をいただいてきました。しかし、ここにきて感染の急拡大は、そんな皆さまの間に『この先どうなってしまうのか』という強い不安や『対策を守っても仕方がない』という諦めを抱いているのではないかと懸念をいたしております。また、多くの方々には、『せっかくの夏休みなのに』という不満があるのも当然のことだと思います」

 「これからワクチン接種が40代、50代、さらには若い世代の方々に進めば、明らかな予防効果が期待でき、はっきりとした明かりが見えてきます。10月から11月のできるだけ早い時期に希望する全ての方への2回のワクチン接種の完了を目指してまいります」

 「今回の宣言を解除する前提は、国民の命と健康を守ることができる医療提供体制の確保です。ワクチンの接種状況、重症者、病床利用等を分析し、適切に解除の判断をしてまいります。その先には、飲食店の利用、旅行、イベントなど社会経済活動の回復が視野に入ってきます。総力を挙げて取り組みます。皆さんのご理解とご協力を心からお願いを申し上げます」

=(3)に続く

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